2ヶ月振りにNYに戻って、本屋を覗いたりスーパーに入ってみると、ダイエットの本やヘルシーな食材のコーナーなどが出来ていたりしています。NYでダイエットというとこの数年よく耳にするのは、パレオ・ダイエットやケトジェニック・ダイエットでしょうか。日本でダイエットというと減量する事ですが、アメリカでは”食事法”という意味合いが強いようです。確かに食生活を改めた結果、健康的になって身体が軽くなる、というのが理想ですよね。以前はダイエットというととにかくカロリーを抑えて体重を落とすという感じでしたが、今ではダイエットも栄養学も進化して、体重が減っても筋肉が落ちたり、エネルギー不足で身体を壊すような方法はよくないと言われるようになってきたように思います。
パレオとは、Paleolithicという旧石器時代という意味の単語を略したもので、パレオ・ダイエットは、旧石器時代や狩猟採集生活を行ってきた頃の食生活を参考にした食事法です。当時の食生活を取り入れる事で、肥満とは無縁で現代病に悩まされない身体を取り戻そう、という考え方に基づいたもの。加工食品はもちろん、農耕生活以降の食材は避けるので、小麦や米、ジャガイモ、豆類、また乳製品などもとらず、牧草のみで育てられたビーフやオーガニックのチキン、天然の魚、野菜や果物を中心に食べます。カロリーは特に気にせず、好きな量を食べてよいようです。
そしてケトジェニック・ダイエットの方は、日本でも流行っている糖質制限ダイエットに似ていて、糖質の摂取量を減らしてケトン体質というものを目指すというもの。ケトン体というのは少し難しいですが、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という3つの物質の総称で、体内のブドウ糖が足りなくなると体の脂肪が燃焼されエネルギー源として使われるようになりますが、その時に肝臓で作られるのがケトン体なのだそうです。糖質を制限して、高脂肪食をとる事で体の代謝を変えて体質改善をするというもので、とてもストイックな印象のダイエット方法です。
私はというとハードなダイエットはした事がないのですが、一度だけ炭水化物や果物、甘いものなどをとるのをやめてみたところ、数日で何となく頭が回らなくて、身体もフワフワして地に足が付いていないような感じになって、それが身体によくないように思ったのですぐにやめました。でもお米や根菜などの炭水化物や果物全般、チョコレートなども昔から大好きなので、とらないとこんなに身体が違うのか!と分かってよい体験になったと思っています。
最近は以前よりも炭水化物は少しだけ減らしつつ、全粒粉や玄米など精製していない穀物やカボチャやサツマイモなども食べるので、マクロビとパレオの中間のような感じでしょうか。
乳製品の方は時々チーズは食べますが普段はあまりとらないようにしていて、牛乳の代わりにオーツやアーモンド、カシューナッツで出来た添加物の少ないミルクやヨーグルトを使っています。でもタンパク質は以前よりも気をつけて少し多めにとるようにして、豆や魚、チキン、ターキー、卵などを同じくらいのバランスで食べています。
あと以前よりも気をつけているのは、穀物や豆、ナッツなどに含まれているというアブシジン酸という発芽抑制因子です。このアブシジン酸は体によくないそうなので、発芽させたり発酵させたりしてその成分が減少した食材を選べる範囲で使うようにしています。玄米を数日水に浸けて発芽させるのは手間はちょっとかかりますが、種子に芽を出させるのは何だか楽しくて好きで意外と苦になりません。
アメリカはこの数年、このようなアブシジン酸を意識した商品が増えてていて、発芽させた大豆を使った豆腐や、全粒粉の小麦粉、アーモンドや乾燥豆など種類が多くなってきているのですが、豆腐などの大豆製品を昔からとっている日本人からすると、どのくらい影響があるのか気になりますね。どのダイエットでもいいと言われている緑黄色野菜は、日本でも馴染みのある野菜の他にもケールやコラード、エンダイブ、スイスチャードなど種類も豊富でカラフルでアメリカの方が楽しいなと思います!
NYのダイエットはそんな風にして、パレオやケトジェニックのような食事法に筋トレや有酸素運動を組み合わせたものが多く、以前に比べると健康への意識も随分高くなっているように感じます。肥満大国と言われているアメリカが、どんな風に変わって行くのか興味深いところです。日本は豊かな食文化があり恵まれているなぁと普段よく思うのですが、アメリカのそんな進歩的な部分は学ぶこともあるなぁと思う、今日この頃です。
>>【カヒミ カリィのThe plate of my life】をもっとみる