image via Shutterstock

走るために車にはガソリンが必要なように、私たちの体は、息をするにも、考えるにも、テレビを見るにもカロリーが必要です。

代謝とは、食べたもののカロリーをエネルギーに変えるというプロセスです。そして、生命活動を維持するために必要なエネルギーのことを基礎代謝と言います。この量は人によってそれぞれ違います。

では、基礎代謝をよくすることはできるのでしょうか。健康マニアも、ワークアウト好きの人も、このクイズで代謝のことを正しく理解しているかチェックしてみましょう。

クイズ1. 代謝は遺伝で受け継いだもののままである

image via Shutterstock

これは正しくありません。

代謝は遺伝ですが、生活スタイルによって変えることができると、Northwestern University’s Feinberg School of Medicineの薬学の教授、ロバート・クシュナー医学博士は言います。

筋トレで筋肉を増やすのは基礎代謝をアップさせるひとつのカギです(筋トレは週に2回行うのが理想的)。これは、脂肪は450グラムあたり2カロリーから3カロリーしか燃やさないのに対して、筋肉は450グラムあたり7カロリーから10カロリーほど燃やすからです。

有酸素運動も大切です。週に5回30分運動することを目標にしましょう。「心拍数が上がるような運動、たとえばハイキング、ランニングや自転車がよいでしょう」とクシュナー医学博士はすすめます。

そして、いくつかの運動を組み合わせましょう。「体はある程度負荷に慣れてしまうと同じ運動でもカロリー消費が減ってしまいます。でも、運動の種類を増やすことで、より多くの筋肉を使うことになり、カロリー消費が増えます」。

クイズ2. 年齢とともに代謝が悪くなる

これは、防ぐ方法もあります。

20代〜30代のうちに筋肉量を保つように努力することはひとつの方法です。なぜなら40歳になると、筋肉量を保つのに大切なテストステロンが減ってしまうからだと『The Hungry Fix』の著書、パメラー・ピーク医師は言います。

そして、ここでもポイントは運動です。筋トレに加えて、ゆるやかな運動の代わりに負荷の高い運動をするHIIT(高負荷インターバルトレーニング)をすることで、代謝に大きな影響を与えると専門家は言います。

もし山登りをするなら傾斜のあるコースを選んでみましょう。ランニングをするならダッシュを入れてみるとよいでしょう。「20秒から30秒のHIITを週に2、3回加えるだけで目に見える結果が出るでしょう」とピーク医師は言います。

クイズ3. 食事で代謝を大きく改善できる

image via Shutterstock

これは、正解です。

でも、Central Washington Universityの運動医学と栄養の助教授、ケリー・プリチェット博士は「代謝を上げる食べ物についての研究はまだ足りない」と言います。たとえば、発熱を促すカプサイシンを含む唐辛子、カフェイン、アップルサイダービネガーなどは代謝を上げるかもしれませんが、その効果は「小さく、一時的なもの」だとプリチェット医学博士は説明します。

しかも、マイナス面として、おいしくない、おなかをこわす、コーヒーがないとイライラするといったことがあるのであまり食べる価値はありません。

では、「ネガティブカロリー」があると言われる食材はどうでしょうか。高タンパク質や食物繊維の多い食べ物は、消化するのに多くのエネルギーが必要ですが、「代謝アップの影響は無視していいくらいのもの」だそうです。

クイズ4. 食べるタイミングは代謝に影響する

image via Shutterstock

残念ながら、これは本当です。

夜に炭水化物を食べると代謝に影響します。これは、体は夜の方がインシュリンへの抵抗が高いから」とNational Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases at the NIHの医学博士、アーロン・シペスさんは説明します。これが血糖値が高くなることにつながるというのです。さらに、高血糖や糖尿病でない人にも体重増加や心臓病などにつながってしまうこともあるのです。

高タンパク質の食べ物もあまりよくありません。「糖質の多い食べ物のほうが、脂肪に変換されるグルコースの血中濃度を上げますが、タンパク質でも、糖質に変換するためのステップがひとつ増えるだけだからです」とシペスさんは言います。

つまり、カロリーが多すぎるとそれが何であれ、脂肪としてため込まれてしまうということです。だから、夜は軽めに食べましょう。

クイズ5. インターミッタントファスティングは代謝を上げる

image via Shutterstock

これは正しくありません。

一定期間、あるいは一定の日に摂取カロリーを大幅に減らす、という、流行りのインターミッタント・ファスティング。それが代謝を上げるという根拠はないと、Brigham and Women’s Center for Metabolic and Bariatric Surgeryの栄養士であるメリッサ・マジュムダーさんは言います。

ある研究では、肥満ではない男女が3週間一日おきにファスティングした際の、静止時の代謝を調べたところ、特に代謝の上昇は見られなかったと言います。

さらに、ファスティングしている日の空腹感が減らないということも発見しました。つまり、こういった食事の仕方は継続がむずかしいということを示唆しています。

ある特定の食べ物を食べないでいると、結果的には食べすぎになりやすいのです。そして、同じようなことがインターミッタント・ファスティングのときにも起きると思います。おなかがすきすぎて食べるものの選択を誤ってしまう可能性があります」」とプリチェット博士は説明します。

インターミッタントファスティングで体重を減らすことができる人もいますが、これは摂取カロリーが減るためで、代謝が上がったからではありません。

代謝についてもっと知りたいなら

スピードアップして体重を減らしたい! 代謝を上げる31のシンプルな方法

年齢とともに落ちていく代謝。再びアップさせる31の方法を毎日に取り入れてみましょう。 https://www.mylohas.net/2018/08/173661metabolism.html?test201808

運動は朝か夕方、どっちにするのがいい?

運動は効率的にしたいもの。実は運動する時間にポイントがあるそう。運動に最適な時間や、反対に避けるべき時間を知っておくと良さそうです。 https://www.mylohas.net/2018/08/173533workout_time.html?test201808

Ashley Breeding/QUIZ: Is Everything You Know About Metabolism Wrong?
訳/Noriko Yanagisawa

RSS情報:https://www.mylohas.net/2018/09/175502metabolism.html