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考えてみると、20世紀の間に平均寿命が30年も伸びました。5000年の人類の歴史のなかでも素晴らしい成果となったのです。

いまや「100歳以上まで生きるのは稀」とは言えないくらい。1990〜2000年にかけて、100歳以上の人口は51%も増えたのです。

どうやってこのような飛躍ができたのでしょうか。大きいのは健康、教育、病気予防と治療の進歩。でも、何気なく行っている毎日の習慣や、過去におかれていた環境も、人生の長さや健康に関係しています。これからも長く生きられるというサインと、軌道にのるためのコツをお教えいたします。

心臓の鼓動が15秒に15回の人

1分間に心拍が60回というわけです。心臓はゆっくりであれば休むことができますから、ゆっくりになるほど健康的。

「鼓動が遅いなら、心臓が激しくはたらく必要がないわけで、健康を保てる可能性が高くなるのです」とクリーブランド診療所の女性循環器センターの責任者で、博士のレスリー・チョーさん。

52歳で閉経になった人

研究によると、閉経が遅い人は長生きする傾向があるようです。

理由のひとつは、「閉経が遅いと、心臓病のリスクも低くなるから」と、エール大学医学部産科婦人科教授のメリー・ジェーン・ミンキンさん。

赤ちゃんを授かるのが遅かった人

ユタ大学の最近の研究によると、44歳以後に自然妊娠した人は、40歳までに赤ちゃんを持った人よりも、50歳以降のどの年を見ても死亡する割合がおよそ15%低くなっていたのです。

「卵巣が健康で、それだけの年齢で子どもを授かることができたということは、長寿につながる遺伝子を持っているということなのでしょう」と、研究の代表者でユタ大学人間発達学教授、博士のケン・R・スミスさん。

母が若いときに生まれた人

シカゴ大学の科学者らによると、自分を出産した時の母親の年齢が25歳未満の場合、100歳まで生きる確率は高齢のお母さんから生まれた人の2倍なのだそう。

母親が若いうちの、最も状態のよい卵子が受精したからと推測されています。

いびきをかかない人

いびきは、閉塞性睡眠時無呼吸の大きなサインなのです。喉の組織が気道をふさいでしまって、一時的に呼吸が止まっているわけです。重い場合は、1時間に60〜70回発生することもあります。

睡眠時無呼吸は、高血圧、記憶障害、体重増加、うつ病の原因にもなるのです。18年間にわたった研究によると、閉塞性睡眠時無呼吸でない人は、重度の無呼吸の人よりも長生きできる可能性が3倍になったというのです。いびきをかいていて、日中には眠気を感じたり、気分の変調を感じたりしたら、睡眠の分野の医師に相談を。

ビタミンDの数値をきちんと検査している人

『アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン』誌に掲載された研究によると、病気予防のためには血液1ミリリットル当たり、少なくとも30ナノグラムのビタミンDが必要だそう。アメリカ人の80%近くはそこまでないのです。

研究の代表者でコロラド、デンバー大学医学部外科助教で医師のアディット・A・ギンデさん(公衆衛生学修士)によると、ビタミンDは骨粗しょう症を防ぐだけでなく、がん、心臓病、感染症のリスクも減らすとのこと。

必要に応じて、サプリメントでとることもできます。医師は簡単な血液検査で数値を測ることができますが、定期的なモニタリングがいります。ビタミンDは1ミリリットルあたり100〜150ナノグラムで有毒になってしまうからです。

通勤で車の交通渋滞にあっていない人

ドイツの最近の研究によると、心臓発作を起こした人は、症状が始まる直前に交通渋滞にはまっているケースが3倍も多いという結果が出たのです。

直接の因果関係は不明ですが、自動車からの空気汚染、ストレスの組み合わせが心臓発作のリスクを高めているという仮説もあります。

乾癬にかかっていない人

皮膚病学アーカイブの研究によると、慢性的な皮膚症状を診断された女性は、糖尿病を発症する可能性が63%高く、高血圧のリスクが17%増加するそう。これら3つの症状すべてに慢性的な炎症が関係しているのです。

ブリガム・アンド・ウィメンズ・ホスピタル・ナーシズ・ヘルス・スタディという研究の対象になった過去24年以上の7万7000人以上のデータを見ると、乾癬は単なる皮膚病ではなくて、全身性の病気と見なすべきという声もあるくらいなのです。

少なくとも週1回、宗教のイベントに参加している人

イェシーバー大学とアルベルト・アインシュタイン医学校によって行われた9万2000人以上の女性を対象にした最近の研究によると、宗教のイベントに出ている人が健康という結果が出たのです。

宗教のイベントに出るという習慣によって、心の支えを得ることができて、ストレスからもうまく開放されている可能性があります。

喫煙、飲酒、運動の有無にかかわらず、死亡リスクが20%減っていました。

よい祖父母である人

ベルリン・エイジング研究の分析によると、孫の世話をしたり遊んだりして過ごしている人は、そうでない人よりも長生きする可能性が37%高くなっていました

孫がいなくても、心配は無用。チャリティ活動を通して家族以外の人を世話しているボランティアも、誰も世話していない人に比べて、平均して3年も長生きしていたのです。

ただし、関わりすぎないようにご注意を。ストレスを抱えてしまい、肉体的、精神的な健康に悪影響が及んでしまっては問題ですから。

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