なのでNYに引っ越す事になった時に、あぁまたおいしい納豆はしばらくお預けか……と諦めていたのですが、実はパリと違って、NYの日系スーパーに行くと、日本と変わらない位の種類の納豆が並んでいるのです。これは本当にうれしい驚きでした。
冷凍されているので、少し味が落ちているけれど、それでも十分に幸せ……。なので、我が家の冷蔵庫にはいつも納豆が完備されています。
NYで流行しつつある、瓶詰め納豆
ところで納豆というと、香りも独特でネバネバとしたあの感じがいかにも外国人には苦手そうな印象がありますが、意外にも昨年当たりからNYで流行りつつあるのです。
きっかけは「NYrture」という、瓶詰めのNY製納豆です。「NYrture」は、フィラデルフィア生まれでNY在住の微生物学者、アン・ヨシタニさんが設立した納豆の製造・販売会社です。
ヨシタニさんはアメリカ生まれですが、祖父母が日本に住んでいたので、幼い頃から帰省する時に納豆を食べていたのだそう。
幼い頃からずっと納豆が大好きだったヨシタニさんは納豆を自分でも作るようになり、そして東京の神田にある納豆屋、天野屋さんで作り方を学んで、NYに戻ってから「Nurture」を設立したのだそうです。
肝心の味はというと……これがお世辞抜きで本当においしい!
味や風味、粒の大きさ、粘りも本物で、日本で普通に売られている3パックの納豆を超えているくらいです。思わず何も加えずに、スプーンでそのまま食べてしまいたくなるほどで驚きでした。
値段はひと瓶11ドルと安くはないのですが、でも220g入りで冷凍されていなく菌が生き生きとしている感じで、何ともおいしいので、NYにいるとあまり高く感じません。
味は定番のオリジナルに加え、黒豆とターメリック味の3種類でどれもおいしいです。ターメリック味はNYで進化した納豆という感じでおもしろいですよね。ちなみにNYではお味噌は定番な人気で、白味噌、赤味噌の他に、黒豆や小豆、ひよこ豆の味噌も売っていて、これまたとてもおいしいのです。
日本人は、納豆はやはり熱々のご飯に乗せたり、生卵を混ぜたりなどシンプルに頂きますが、ニューヨーカーはというと、アボカドトーストやピザにのせたり、パスタに和えるなど、私達とは 違う感覚で納豆を楽しんでいるようで、これもおもしろいなと思いました。
「NYrture」のHPにレシピが載っていたり、インスタグラムにも日本人の発想では出てこないようなおもしろい食べ方が載っているので、よかったら見てみて下さいね。
おかゆと納豆の相性が抜群
ところで、私の好きな納豆レシピもいくつかありますが、一つ皆さんに紹介したいと思います。
それは「餅がゆ納豆」です。これは昔読んだ「魯山人の食卓」という本に載っていた「納豆雑炊」と「餅雑炊」を私がアレンジしたもので、作り方はとても簡単。
おかゆに小さく切ったお餅を入れて柔らかくなるまで煮込んで、納豆をトッピングして出来上がりです。シンプルなのに、想像以上に美味しくて一口食べたらリピート間違いなしです。
バリエーションで、おかゆに小松菜やネギなどの葉っぱものやカボチャ、炒りゴマなど入れてみたり、餅は煮込まずに焼いたものをおかゆに混ぜてみたり、納豆を乗せて、上から少しごま油を垂らしてみたり……。
基本的に、おかゆと納豆の組み合わせが凄く合うので、色々と試してみてくださいね。
写真は、おかゆに焼き餅を入れて、純胡椒という生の粒胡椒を少々、納豆とコリアンダーをのせたものです。“あぁ日本人に生まれてきてよかったな〜”としみじみ感じる納豆が、NYでこんな風に進化しているなんて本当にうれしいです!
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