風邪やインフルエンザのウイルスに負けない抵抗力をつけるには、栄養バランスのとれた食事をとることが大切です。そこで、医師・料理家の河埜 玲子先生がすすめるのが、一杯で手軽に免疫力アップできる“体調管理みそ汁”。ケース別のおすすめ食材と、具材の取り合わせを教えていただきました。

なぜいま“体調管理みそ汁”が大事なのか

大気が乾燥するほど活発になる、インフルエンザや風邪のウイルス。春のようにあたたかい日と真冬に戻ったような日が続き、寒暖差が激しいこの時期は、乱れた食生活を送っていると免疫力が低下し、風邪にかかりやすくなってしまいます。

そんなときこそ、忙しくても簡単に作れる“体調管理みそ汁”の出番。日本人にはおなじみの味噌汁ですが、実はこんなにメリットがあるのです。

火を通すことで野菜のかさが減るので、無理なくたくさんの野菜を食べることができる。 茹でたときに水に溶け出てしまう野菜のビタミンを一緒に摂ることができる。 タンパク質(肉・魚・大豆製品)と野菜を組み合わせた味噌汁なら、ごはんをプラスするだけで栄養バランスが整う。 柔らかく煮ることで消化や吸収がよくなり、カラダも温まる。

簡単に栄養バランスがとれる“体調管理みそ汁”こそ、この時期に活躍させたいお役立ちメニュー。河埜先生が勧める、ケース別のおすすめ食材がこちらです。

のどの調子が良くないときに:かぼちゃ

「おすすめの食材は、かぼちゃ。かぼちゃに含まれるβカロテンは、のどの粘膜を健康に保ち、免疫を正常に保護してくれます」(河埜先生)

河埜先生のいち押しは、かぼちゃと玉ねぎを合わせた甘みのある味噌汁に、仕上げとして軽く水分を絞った大根おろしをのせるレシピ。大根おろしには抗炎症作用があり、のどの痛みを緩和してくれます。

味噌汁を出すときは、のどに刺激を与えないようぬるめにするのもポイント。柔らかい豆腐なども、のどが痛いときにはうれしい具材です。

忙しい時期を乗り切りたいときに:長芋

「忙しく疲れがたまっているときには、消化促進・滋養強壮効果が高い長芋がおすすめ。長芋は中国では漢方薬としても利用される食材です」(河埜先生)

味噌汁の具にするときは、皮をむいてすりおろした長芋を、600ワットの電子レンジに、2分ずつ2回かけ(一度加熱したらいったん取り出して混ぜ合わせるのがコツ)、味噌汁にスプーンですくって落とし入れ、ひと煮立ちさせるとよいそう。

豆腐の味噌汁にちょい足しすれば、柔らかくて消化によく、疲れた胃にも優しい、とっておきの味噌汁の完成です。

一杯で免疫力を強化したいときに:鮭×緑黄色野菜

鮭×緑黄色野菜は、免疫力アップに欠かせないタンパク質とビタミンが一度にとれる組み合わせ。にんじんとブロッコリーに含まれるβカロテンには粘膜を健康に保つはたらきがあり、ウイルスの侵入を予防することが期待できます」(河埜先生)

一口大に切った生鮭とにんじん、ブロッコリーを合わせれば、石狩汁風の栄養価の高い味噌汁が簡単にできるそう。ビタミン、ミネラルやカラダを作るタンパク質をバランスよくとることができ、体調管理に力を発揮してくれます。

お疲れ気味の身体を癒すためには、日頃から栄養バランスを心がけ、必要なときにはきちんと休み適度に糖質を補給することも大切だと河埜先生。

「疲れがたまってきた」「なんだか風邪っぽい」と感じたら“体調管理みそ汁”の出番。適量の炭水化物と組み合わせて、ぜひ元気なカラダを取り戻してください。

[味の素]

河埜 玲子

医師・料理家・キッズ食育マスタートレーナー。7歳の娘を持つ医師。 滋賀医科大学医学部卒業。現在は済生会松坂総合病院にて麻酔科・健診科に勤務。 医師として臨床に携わるなかで、身体と心の健康のためには、毎日の食事がいかに大切かを痛感。 今、まさに子育て中である自身の経験から、働くママを応援するため料理家として活動をスタート。身近な食材を使った簡単、時短レシピを提案している。ブログや著書『忙しい人のための“一品”で栄養バランスが取れるレシピ―女性医師が教える体と心が喜ぶ食事』(SBクリエイティブ)などでレシピを紹介。

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