まつ毛の近くにできたのなら多分、まぶたの感染症、ものもらいです。専門的には、「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と呼ばれています。
ニキビと間違えてしまうのもわかります。ニキビとまったく同じように、「ものもらいは普通、痛みやかゆみがあり、赤くなります」と、ニューヨークにあるマウント・サイナイ・アイカーン医科大学の皮膚科臨床助教、ゲイリー・ゴールデンバーグさん。
ものもらいは、まぶたの上や近くにできますが、普通は目の見え方に支障はないそう。
ただ、できると、つらいものです。割とよくある症状ではあるのですが、だからといって、不快感が減るわけではありません。
そこで、どうしてものもらいができるのか、そしてなるべく早く治すにはどうすればよいか、皮膚科医に聞きました。将来ならないようにするための方法も。
ものもらいとは何か?
ものもらいは「感染したニキビや内生毛(皮膚の中で成長してしまった体毛)とほとんど同じなのです。違いは、まぶたに現れたというところだけ」と説明するのは、ニューヨークにあるマウント・サイナイ病院皮膚科の美容・臨床研究ディレクターを務める医師、ジョシュア・ザイクナーさん。
「皮膚のほかの部分と同じく、まぶたにも皮脂腺があります。この皮脂腺が感染すると(たいていはブドウ球菌という細菌に)、やわらかく、赤く腫れた吹き出物が現れます」とザイクナーさん。
念のため言っておきますと、ものもらいは普通、うつりません。でも、「厳密には、ものもらいを引き起こしている細菌が、接触により拡散する可能性はあります」(ザイクナーさん)
ものもらいの原因は?
image via shutterstockものもらいができたけど原因がわからないという場合もありますが、ゴールデンバーグさんによると、その多くは、次のように衛生面にあまり気をつけていなかったせいだそう。
手を洗わずに目にさわった。 手を洗わずにコンタクトレンズを入れた。 コンタクトレンズを十分に消毒しないまま入れた。 夜、アイメイクを落とさずに寝てしまった。 アイライナーやマスカラなど、アイメイクに使った製品が古かった。「それから、眼瞼炎(がんけんえん:慢性的なまぶたの炎症)や酒さ(しゅさ:皮膚の赤みが続く症状)などの症状がある人は、ものもらいができやすいことがわかっています」と、ゴールデンバーグさんは解説します。
ものもらいを治すには?
image via shutterstockものもらいもニキビみたいにつぶしたくなりますが、それは考えないように。さわってはダメなのです。「つぶすと感染が広がってしまうから」と、ゴールデンバーグさんは説明します。
ものもらいが自然になくなるまで、腫れと痛みを和らげるには、次のようにします。
コンタクトを使っている場合は、ものもらいが治るまでメガネに変えます。 ベビーシャンプーのようなマイルドな洗浄剤を使って、まぶたを清潔に。 一日数回、2〜3分間、まぶたに温湿布を当てて、腫れを和らげます。ザイクナーさんによると、ものもらいは一般的に数日で自然になくなります。ですから、2日経ってもまだ続いていたり、よくなっているように見えなかったりしたら、医師の診察を受けましょう。
抗生物質で治療する方がよいケースもありますし、とくにひどいものもらいは、ほんの少し切開してウミを出す必要があることも。くどいようですが、自分でやろうとしないで。
ものもらいを防ぐには?
image via shutterstockもらいたくない「ものもらい」、ならないようにするには次の点に注意。
手を清潔に
「頻繁に手をよく洗い、できるだけ目から遠ざけておきましょう」とゴールデンバーグさん。コンタクトを使う前も手を洗い、目に入れる前にできるだけレンズを清潔にします。
まぶたを清潔に
夜寝る前には、必ずアイメイクをしっかり落とします。古くなった化粧品を捨てるのもよい考え。開封後にどれくらい使えるか、ラベルに書かれているはずですから、パッケージを見てみましょう。
温湿布を当てる
「以前ものもらいになったことがある人は、まぶたの温湿布を続けると、またものもらいになるリスクを下げる役に立ちます」とゴールデンバーグさん。
結論:不運なことにものもらいになってしまっても、あわてないで。普通は2〜3日で自然になくなります。しかし、自分で少し手当てしても効果がなかったり、ものもらいが悪化しているようなら、感染の拡大を防ぐためにも、医師の診察を受ける方がよいかもしれません。
目のケア、大切に
Korin Miller/How to Get Rid of That Painful Stye on Your Eye, According to Dermatologists
訳/STELLA MEDIX Ltd.