目の充血、分泌物、不快感など症状が似ているため、花粉症と結膜炎を見分けるのはちょっと厄介。人にうつす危険があるのかどうかも含めて、いちばんよい治療法を見つけるためには、2つの違いを知ることが大切です。
そこで、目が赤くなったときに、その原因が花粉症なのか結膜炎なのかを見分ける方法、そして不快感を少しでも和らげる方法をご紹介します。
花粉症と結膜炎の違いは?
image via shutterstock結膜炎は、まぶたの内側と白目をおおっている粘膜である“結膜”が、細菌やアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に刺激されて起こる目の病気です。
不快感、目の腫れ、赤目、分泌物などの症状が現れますが、原因によって次の3タイプに分かれます。
ウイルス性結膜炎
いちばんよくあるタイプで、名前からおわかりでしょうが、ウイルスに感染して発症します(たいていは風邪と同じウイルス)。
アメリカ眼科学会(AAO)によると、とても伝染しやすく、症状は焼けるような感覚、赤目、水っぽい分泌物など。
細菌性結膜炎
ウイルス性結膜炎と同じく、細菌性結膜炎もうつりやすく、違いはウイルスではなく細菌(扁桃炎を起こすタイプのような)に感染して起こる点。
目の痛みや目ヤニの症状も出ます。
アレルギー性結膜炎
ほとんど知られていませんが、花粉症による目の症状は、実はもうひとつのタイプの結膜炎なのです。
目のかゆみ、涙目、腫れといった症状が多く見られます。「目がアレルゲンに接触して、“ヒスタミン”という化学物質が出るために起こる症状です」と、ニューヨーク・プレスビテリアン病院/ワイル・コーネル・メディシンのアレルギー科ディレクターを務める医師のウィリアム・ライザッハさん。
ほかの2タイプとは違って、アレルギー性結膜炎はうつりません。
どのタイプの結膜炎か知るには?
image via shutterstockたいていは、症状が手がかりです。
テキサス・ヘルス・アーリントン記念病院の眼科医、レイ・チャンさんの説明によると、アレルギー性結膜炎は、痛みや焼けるような感覚よりも、かゆみを感じる傾向があります。普通はアレルゲンに接触して数分から数時間後とすぐに症状が現れ、両目に同時に症状が出ます。
ウイルス性と細菌性の結膜炎は片方の目から始まることが多く、数日後にもう片方が感染します。
握手した、感染している人と同じタオルを使ったなど、接触により伝染しますが、すぐには気づきません。「症状が現れるまでに7〜10日かかります」と、プロビデンス・セント・ジョンズ・ヘルスセンター(カリフォルニア州サンタモニカ)の神経眼科外科医、ハワード・R・クラウスさん。
結膜炎の治療法は?
image via shutterstockタイプによります。絶対にアレルギー性だとわかるなら、いつものアレルギー薬(抗ヒスタミン薬、アレルギー用目薬など)や家庭療法で症状を抑えればよいでしょう。
でもどのタイプかわからない場合は、医師に診てもらいましょう。ウイルス性か細菌性の伝染するタイプかどうか確認できますし、細菌性であれば、早く治すための抗菌目薬も処方してもらえます。ウイルス性の場合、アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、効く薬がほとんどありませんから、自然に治るまで1〜2週間待たなければならないようです。
症状が悪化したら、医師に相談して。CDCによると、目の痛み、目がかすむ、光がまぶしく感じる、充血がひどい、そのほか抗菌薬でも症状がよくならないといった場合です。免疫力が弱くなる病気がある人も、医師の診察を受けましょう。
結膜炎の家庭療法は?
image via shutterstock治療薬を使っているかどうかにかかわらず、不快感を少しでも減らすために自宅でできる方法があります。「冷湿布か温湿布、それに人工涙液を1日2〜3回使うと、不快感が和らぎます」と、チャンさん。
ちょっと気持ちの悪い目ヤニは? つまみ取るよりも、チャンさんがすすめる方法は、湿らせた布にベビーシャンプーを1滴たらし、優しくまぶたを拭き取ってから温水ですすぐというもの。
それから、ウイルス性か細菌性の結膜炎の場合は、伝染しないように気をつけましょう。片方の目だけに症状が出ているなら、感染している方の目には別の布やタオルを使うようにします(チャンさん)。そして、もちろんなるべく手で目に触らないようにして、頻繁に手を洗うことです。
アレルギー対策も大切
花粉症シーズンに。アレルギー症状の原因を緩和するにんじんポタージュ
Marygrace Taylor/How to Tell the Difference Between Pink Eye or Allergies
訳/STELLA MEDIX Ltd.