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ブラシでなでると肌の凸凹が減る!? 噂の美容法を皮膚科医が検証
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ブラシでなでると肌の凸凹が減る!? 噂の美容法を皮膚科医が検証

2019-05-05 07:30
    あなたが何歳でも、それに、たとえ運動しているとしても、おそらく身体のどこかにセルライトがついてしまっているでしょう(調査によると、女性の80〜90%がそうなのです)。だから、あなたが「ドライブラッシング」に惹かれていても、誰も責めたりしませんよ。そう、ソーシャルメディアやスパのメニューで、最近よく見かける方法です。

    ドライブラッシングは、皮膚のボコボコした部分をブラシでこするだけ。この方法を支持している人たちは、「セルライトが少なくなって、とってもなめらかで輝くような肌になる」と断言しています。

    でも、ほとんどのセルライト“治療法”と同じように、話がうますぎるような気がしませんか? そこで、皮膚科医に話を聞きました。

    そもそもセルライトは、どうしてできるの?

    image via shutterstock

    「セルライト」として知られているデコボコは、皮膚のすぐ下の脂肪層にあります。

    「脂肪の集まりの間にある皮膚が、線維組織の束に引っ張られてセルライトになるのです」と、ニューヨークのマウント・サイナイ・アイカーン医科大学で皮膚科の臨床准教授をつとめるハイジ・A・ウォルドーフ医師。その結果が、あのイヤなボコボコ・シワシワ肌なのです。

    残念なことに、セルライトができるのは圧倒的に女性。アメリカ国立医学図書館によると、セルライトの原因はさまざま。遺伝、食べ物、身体がエネルギーを燃やす仕組み、ホルモンの変化、それに脱水状態さえも関係すると言います。

    ドライブラッシングって、具体的にどうやるの?

    image via shutterstock

    ウォルドーフ医師によると、読んで字のごとし。つまり、柔らかいブラシで皮膚をブラッシングして、死んだ皮膚細胞をこすり落とすものです。

    アメリカ皮膚科学会(AAD)によると、ブラシでこするのは一番上の皮膚細胞を取り除くための基本的な方法ですが、ドライブラッシングには、ほかにも健康効果がたくさんあると言われています。

    ブラッシングした部分の血行がよくなると、前向きにとらえる人はいます」と、やはりマウント・サイナイ・アイカーン医科大学で皮膚科の臨床指導医をつとめるメーガン・フィーリー医師(ニュージャージー州およびニューヨークシティーの認定皮膚科医)。

    ただし、こすったところは血行がよくなるかもしれませんが、ほんの短い間だけですし、もっと深いレベルで健康に影響することはなさそう

    フィーリー医師によると、ドライブラッシングをすると血行がとてもよくなる、あるいはリンパ系(組織から余分な液体を流し出してくれます)が毒素を体外に排出するはたらきに効果があるとするデータは、今のところありません

    本当にセルライトを減らしてくれるの?

    image via shutterstock

    そうした効果がある可能性はありますが、あくまで一時的です。くり返しますが、ドライブラッシングは“死んだ皮膚細胞をこすり落とす”ものですから、皮膚がなめらかになって、短いあいだは全体的に質感がよくなります

    でも、セルライトを完全になくすとなると、認定委員会の認定を受けた皮膚科医か整形外科医に頼むのが一番。近くのコンビニに並んでいるブラシに頼るべきではありません。「ドライブラッシングでセルライトが少なくなるという科学的な証拠は、今のところありません」(フィーリー医師)。

    では、どんな治療法があるの?「現在、セルライトの唯一確実な治療法は“サブシジョン(subcision)”と呼ばれる手術です。針かブレードを使って、皮膚を引っ張っている繊維組織の束を切断するのです」と、ウォルドーフ医師は説明。

    コラーゲンを溶かす酵素を用いた注入剤も、臨床試験では有望な結果を出しています。「デコボコになったり波打ったりしているセルライトに注入して、皮膚を引っ張っている線維からなるしきり(つまり、線維組織の束)を減らすわけです」(ウォルドーフ医師)。

    それでも試したいなら?

    image via shutterstock

    ドライブラッシングにはセルライトを完全になくす効果はないとしても、皮膚がなめらかになるので気に入っているという人もいます。でもこの点では、ウォルドーフ医師によると、身体は自然に角質を除去し、死んだ皮膚細胞を落としている事実を忘れないことが大切。

    「肌をやさしく洗って、毎日保湿し、太陽光からも保護する。また、皮膚病もなく、皮膚に効果のあるローションなども使っている。そうすれば、皮膚自体がいらなくなった皮膚細胞をおのずと取り除いてくれるのです」(ウォルドーフ医師)。

    肌がくすんでいるとか、紫外線によるダメージを受けたとかで、もう少し肌のターンオーバーを強化したいなら、局所用レチノイド(クリーム、ジェル、または液体の医薬品)、アルファヒドロキシ酸(ケミカルスキンピーリングとして知られています)、または電動洗顔ブラシを使ってもよいかもしれません。

    「それでも、やはり気持ちいいからとドライブラッシングを続けたいなら、必ず肌触りのよい柔らかいブラシを使います」とフィーリー医師。取り除いた皮膚を洗い流せるように、シャワーを浴びる前にドライブラッシングする人も多いようです。

    そして、皮膚にはやさしく使います。「回数は少ないほどよいのです。ドライブラッシングはなるべく短時間、最小限の圧力で行い、多くても週1回までに」と、ウォルドーフ医師。皮膚細胞を取り除くと乾燥しやすくなりますから、ドライブラッシングしたら、必ず保湿ボディローションをたっぷり塗ります

    ドライブラッシングをしない方がいい人とは?

    image via shutterstock

    敏感肌の人、それから湿疹や乾癬(かんせん)、じんましんがある人。皮膚が赤くなっている、傷ついている、発疹ができている(吹き出物やニキビ)などの場合も、避ける方が賢明です」とウォルドーフ医師は説明します。

    皮膚を刺激してしまい、引っかき傷や傷跡ができたり、感染症になったりする危険さえあります。そうなると、なめらかな肌はおろか、写真映えしない肌になりますね。

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    訳/STELLA MEDIX Ltd.

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2019/05/189809pvn_drybrushing.html
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