胃腸を傷つける生活習慣は、食べ過ぎ・飲み過ぎだけではありません。日本人に多い消化管のがんを防ぐためにも、胃腸のケアは重要。予防医学医の奥田昌子さんが教える「胃腸を最速で強くする方法」を、毎日ひとつずつご紹介します。 images via shutterstock

過敏性腸症候群(IBS)は、お通じの症状をもとに、便秘型、下痢型、そして下痢と便秘を繰り返す交互型の3つのタイプに分類されます。下痢のときは便がかなり水っぽくなり、逆に便秘のときはコロコロに。同じ病気とは思えないほど違うのが特徴です。

不思議なのは、どちらも「ストレスによりコルチゾールというホルモンが分泌され、腸のぜん動運動が高まる」ことで起きること。激しいぜん動運動で内容物がどんどん押し出され、下痢になるのはわかります。しかし、便秘になるというのは理屈に合わない気がしませんか?

じつは、腸の動きは活発なら良いというわけではないのです。チューブ入りのワサビを、強い力であちこち押したときのことを考えてみてください。ワサビは少しずつ、思い出したようにしか出てこないはずです。

それと同じで、強すぎるぜん動は腸のけいれんをもたらし、便秘につながってしまいます。正しい順序でぜん動運動を起こすためには、ストレスを防いで副交感神経を働かせ、腸の動きを正常にする必要があります。

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「胃痛の原因はストレス」「ヨーグルトで便秘が治る」――そんな誤解をしていませんか? 人間の体は巨大な一本の管=消化管でできているのに、私たちは驚くほどその実態を知りません。本書では強い消化管をつくるために欠かせない食事や生活習慣を、日本人の体質を研究する予防医学医の奥田昌子さんが解説。なぜ日本人は「胃腸が弱い」のか、その秘密を紐解きます。

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