胃腸を傷つける生活習慣は、食べ過ぎ・飲み過ぎだけではありません。日本人に多い消化管のがんを防ぐためにも、胃腸のケアは重要。予防医学医の奥田昌子さんが教える「胃腸を最速で強くする方法」を、毎日ひとつずつご紹介します。 images via shutterstock

過敏性腸症候群(IBS)をはじめとする腸の疾患には、腸内環境の乱れが大きく関わっていると考えられています。

それならいっそ健康な人の腸内細菌を丸ごと移植して、腸内細菌を一気に正常な状態に戻したらどうだろう、という考え方があります。「腸内細菌叢移植」――つまり、他人の便を移植するのです。

といっても、そのまま入れるわけではもちろんありません。健康な人の便を水に溶かし、フィルターでろ過したものを、内視鏡を使って大腸または小腸に注入します。

IBSでは、移植から1年以内に70%の患者でお腹の症状が改善したという報告があるそう。ただし移植の効果がいつまで続くかはわかっておらず、本当に有効かどうか判断するには、まだ研究が必要です。

ちなみに日本で便を提供できるのは、通常は二親等以内の家族と、夫または妻など限られた人たちのみ。アメリカやオーストラリアでは、健康な人の便を買い取る仕組みがあるようです。

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