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冬でもないのに咳・くしゃみ。「はしか」はなぜ流行る?
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冬でもないのに咳・くしゃみ。「はしか」はなぜ流行る?

2019-05-18 22:00
    image via shutterstock

    2019年4月にニューヨーク市でおこった「はしか」の大流行。ニューヨーク市が公衆衛生の非常事態宣言を出したのは、記憶にも新しいことです。

    はしかはどのようにして広がるのか、気をつけるべきサインと症状、そしてワクチンがどれほど効果的なのかについて、医師の話を聞きました。

    感染者は、ワクチン接種を受けていない人が多かった

    ニューヨーク市は、ウィリアムズバーグ地区にあるユダヤ教正統派のコミュニティではしかが大流行しているため、2019年4月、「公衆衛生の非常事態」下に。

    非常事態のもとでは、大流行を食い止めるべく、特定の地域に住む人で、予防接種を受けていない場合には、MMR(はしか・おたふくかぜ・風疹)ワクチン接種を受ける義務があることを、ビル・デブラシオ市長が発表。ワクチン接種を受けないと、1000ドルの罰金が課されることとなりました。

    ニューヨーク市の職員によると、患者数285人にのぼるこの大流行は2018年10月に始まりましたが、新たな患者の多くは、2019年3~4月の2か月間に確認されたそう。ほとんどの患者は、ワクチン接種を受けていないか、接種が不完全な人で、CNNの報道によると、大流行ではニューヨーク州オレンジ郡で15人、ロックランド郡で168人のはしか患者が出ています。

    はしかは、どのようにして広がるの?

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    アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、はしかは伝染性がとても強いウイルス感染症で、咳やくしゃみで拡散します

    「知られている中でも、伝染性がいちばん強い感染症のひとつです。だから、爆発的な大発生になりやすいのです」と、ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター(伝染病と自然災害についての研究機関)主任研究員で伝染病専門家のアメシュ・A・アダルジャ医師。

    また、ヴァンダービルト大学医学部の教授で伝染病の専門家、ウィリアム・シャフナー医師によると、はしかは、ワクチン接種を受けていない人たち、とりわけ集団の中にいてワクチンを接種していないか、ワクチンを正しく接種していない人たちの間で、急速に拡散します。

    ほかの人に感染しやすい

    はしかウイルスは感染力が強く、なかなか厄介です。「はしかウイルスに感染すると、症状が出てくる2〜3日前から、ほかの人に伝染する状態になります。息の中にウイルスが含まれていて、近くにいる人がそれを吸い込めば感染するのです」と、シャフナー医師。

    伝染性になった人が吐いた息、咳やくしゃみの中のウイルスは、大気中で2時間もその場にとどまっていられるそう。そして、ワクチン接種していない人がウイルスと接触すると、感染します。

    はしかのサインと症状は?

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    アメリカ疾病対策センターによると、はしかは普通、感染してから1〜2週間の間に発症します。最初の症状は次のようなものです。

    高熱 咳 鼻水 赤くなった目、涙目

    それから2〜3日後、口の中に小さい白い点(「コプリック斑」と呼ばれます)が現れる人もいるかもしれません

    アメリカ疾病対策センターによると、症状が始まってから3〜5日後に発疹が大発生し、たいていは40度以上の高熱も出ます

    発疹は一般的に、髪の生えぎわ近くの顔に、でっぱりのない赤い斑点が現れ始め、首、胴体、腕、脚、足へと下に拡散。場合によっては斑点の上に小さいふくらみが盛り上がることもあります。

    はしかは、特に年少の子どもと20歳以上の成人で、深刻な事態になる恐れがあり、肺炎や脳炎(脳の膨張)など(いずれも命にかかわります)、重大な合併症を起こす危険があります。アメリカ疾病対策センターによると、子どもがはしかにかかると、耳が聴こえなくなったり、知的障害が起きたりする場合もあります。

    2回以上、はしかにかかることはあるの?

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    「いいえ、はしかに1回かかったら、またかかることはありません」とアダルジャ医師。そのため、はしか、おたふくかぜ、風疹にかからないようにする「MMRワクチン」がとても大切。

    「推奨されている2回のMMRワクチン接種を受ければ、普通は一生安全です」(アダルジャ医師)。

    アメリカ疾病対策センターによると、子どもは生後12〜15か月の間に1回目、4〜6歳の間に2回目のワクチン接種を受けます。(編注:日本では、麻疹風疹混合ワクチン[MRワクチン]の定期予防接種が一般的に行われています)

    ワクチン接種を受けたことがなくても、遅すぎることはありません。「はしかは、ワクチンを接種する以外、封じ込めがとても難しいのですが、ワクチンは極めて効果的です」とシャフナー医師。

    周囲で大流行が起きたら、発表される公衆衛生の警告に気をつけて、まだワクチン接種を受けられない赤ちゃん(アメリカ疾病対策センターによると、アメリカの場合、MMRワクチンは生後12か月から)や、健康上の理由からワクチン接種を受けられない人などを避難させるようにと、アダルジャ医師はすすめています。

    全体的に、専門家はMMRワクチンの接種がとても大切だと強調。(ワクチン接種が普及すれば)「このような大流行は、完全に予防できます」(アダルジャ医師)

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    訳/STELLA MEDIX Ltd.

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2019/05/190832pvn_nyc.html
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