「朝から体が重くて食欲がないし、冷たい飲み物ばかりほしくなる。これは完全に夏バテ! ウナギか焼き肉でも食べたら元気が出るかな?」
夏になると交わされるこんな会話。でも残念ながら、カロリーの高いものを食べても夏バテは解消できません。なぜなら夏バテの原因は暑さによる食欲低下ではなく、おもに屋外と屋内の温度差による自律神経の乱れだからです。
自律神経の乱れというとストレスを思い浮かべますが、気温の変動も立派なストレス。冷房で体が冷えると体温を保つために交感神経が働いて、血管をぎゅっと収縮させます。外から冷えた室内に入るたびにエネルギーを消耗し、やがて自律神経のバランスがガタガタに。全身がだるくなり、消化管の働きも悪くなってしまいます。
そもそも夏の食欲低下は問題ないことが多いもの。冬場は体温を維持するためにエネルギーを燃やす必要がありますが、夏はその必要がないため、食欲が自然に下がるようにできているからです。
夏バテしたときに大事なのは、部屋の中と外の温度差を小さくすること。扇風機をうまく使って冷房を弱くし、水分をしっかり摂取しましょう。
食欲がなければ無理に食べなくてもかまいません。ただし体に蓄積できないビタミンとミネラルだけは意識して摂るようにしてください。
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