健康的な食事を摂り、定期的な運動を行い、そして十分な睡眠をとること。そうすれば気分や感情、認知機能が調整されていきます。しかしこれは基本的なことで、とりわけ緊張が続いているときには、なかなか簡単にはいきません。
これまで3回にわたり、ストレスと脳の関係についてお話しました。今回は、メイヨー・クリニック医学教授で同クリニックの回復プログラムの創設者、アミット・スード医師が実際にクリニックで採用している「1日4分でできる、ストレス軽減トレーニング」をご紹介します。
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脳に「RUM」を与える
image via shutterstock「RUM」とは、休息(Rest)、高揚感(Uplifting emotions)、モチベーション(Motivation)の頭文字をとったもの。
脳を活性化し、疲労を避けるには3つ全てが必要です。仕事中2~3時間おき(もしそわそわしてきたら、もう少し早く)に3~5分、RUMができる状態をつくります。
方法:パソコンから離れ、あるいは作業を止めて、家族など大切な人の写真や好きな旅行先の写真を見る。
元気の出る詩や文章を読む、友人に電話する、幸せになる短い動画を観るなど。
気分を盛り上げ、やる気の起こる行動を選びます。
朝起きたら、まず感謝の気持ちを心に浮かべる
image via shutterstock脳がその日の心配事で乗っ取られないように。よりハッピーで、もっと絆を感じられる気持ちで朝を迎えよう(こちらの記事も参考に!)。
方法:起床後、ベッドから出る前に数分間、あなたを気にかける人たちのことを考え、静かに感謝の念を送ります。
もう一つメリットがあります。最近のある研究によると、目覚めたときにその日のストレスに先回りして対処することで、1日のワーキングメモリ(作業記憶、作動記憶とも)に影響が出るとわかったのです。実際ストレスのかかる事が何も起きなかったとしても(ワーキングメモリとは、物事を学び、気が散った時でもそれをキープするのを助けてくれるものです)。
注意を外に向けてみる
image via shutterstock瞑想はストレス解消に大変役立ちますが、誰もが20分以上、内面に目を向けて座っていられるわけではありません。
しかし研究によると、注意を外側に向ける事も瞑想と同じ脳のネットワークを使うことがわかってきました。そのため、意識的に注意を世界に向けることによって、瞑想と同様のストレス緩和の効果を得られるのです。
方法:好奇心を働かせ、コーヒーショップのバリスタの目、上司のネクタイの柄、ご近所さんの家に咲いている花など、細かい点を観察することにトライしてみては。
好奇心は脳の報酬系ホルモン(セロトニンなど)を養い、気分を上向きに。それはまた記憶と学習を強化します。
優しさを大切に
image via shutterstock本当にいい人であっても、他人を批判するのは簡単なもの。自分と違うタイプなら特にそうです(違いを脅威と解釈する脳の領域、扁桃体の働きのせい)。
方法:扁桃体を休めるため、誰かについて批判的になりがちなときは、2つのこと……「どの人も特別であること」「皆苦労して生活しているということ」を考えること。
道ですれ違う人、職場では、みんなの幸福を願うくせをつけるのです。そうすると、絆のホルモンであるオキシトシンが分泌され、心拍数がゆっくりになります。そうすると優しい気分に。健康や幸せにつながるはずです。
ストレスを改善するためには?
Jenny L. Cook/How Stress Hits Women’s Brain’s Harder—and Why Men Don’t Always Get It/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)