健康で美しい身体を保つための食事の方法はさまざま。野菜中心のメニューにしたり炭水化物を抜いたりといろいろ試すも、栄養のバランスが偏り、かえって体調不良に陥ったり、満腹感を得られず長続きしなかったり──。

サッカー日本代表選手の長友佑都さんが提案する食事法は、そんな悩みを解決しながら、集中力を高め、仕事のパフォーマンスも上げるという画期的なもの。相次ぐ怪我や病気を経験しながら充実の選手生活を続けていられるのは、この糖質をコントロールするという食事法のおかげだそう。

先に行われた長友佑都さんの「ファットアダプト食事法 発表会」で紹介された、その独特の食事法に注目します。

驚きの回復力を実現した食事方法

2018年よりトルコのリーグでプレーしている長友さん。リーグ連覇やトルコ杯優勝への貢献など、華々しい活躍ぶりが報じられてきましたが、昨年は、試合中の負傷で肺の手術を受けたという衝撃的なニュースが飛び込んできたことも──。

「怪我をしたのが2018年10月24日で、11月末には試合復帰。諦めろ、厳しいと言われていた2019年1月のアジアカップにも出ました。

術後1週間ごとに検査がありましたが、『これはどうして?』と医師が驚くほどの早い回復でした。間違いなく、専属の加藤超也シェフと、北里大学北里研究所病院の山田悟医師の管理のもと、最高の食事をしてきたからです」(長友さん)

ポイントは、良質な脂質とタンパク質を摂取すること

ファットアダプト食事法のメニュー例。右上より時計回り:サーモン洋風照り焼きリゾット、白身魚のカルパッチョ 〜梅ドレッシング〜、たっぷり野菜のミネストローネ、豚肉グリルとミックス野菜のバルサミコサラダ ©︎Shinji Minegishi

この糖質量をコントロールする「ファットアダプト食事法」は、長友さんと加藤シェフ、山田医師がタッグを組み、3年の月日をかけて完成させたものだそう。

「イタリアのインテルにいた頃は、筋肉系の怪我がすごく多く、悩んでいました。が、この4年ほどで怪我はまったくなくなり、回復力も高くなった。ピッチの中でも、試合が終わった後も、疲れが取れやすくなったんです。

僕はまず、血糖値の測定と、食べ物のアレルギーの検査を受け、自分の身体を知ることから始めました。

僕は食後の血糖値が上がりやすかったので、糖質の量を少しずつ減らし、かわりにタンパク質と脂質を意識的に摂るようにしました。魚や肉など、脂質、タンパク質が豊富な食材、オリーブオイルなどもよく摂ります。甘いものも好きだったのですが、できるだけ低糖質のものをとるようにしています」(長友さん)

糖質管理をしっかりすれば、カロリーを気にしすぎることなく、食事を楽しみながらダイエットができるともいいます。

眠気解消、集中力もアップ

でも、これって長友さんのような特別に身体を鍛えている人のための食事法なのでは──?

「なにも、僕のようなアスリートだけのためのものではないんです。僕は、この食事法を続けて、眠気を感じることがなくなり、頭が冴えなくてボーっとすることがなくなった。集中力が増して、パフォーマンスが上がってきたんです。

同じ食事をしている僕の妻も、風邪をまったくひかない。肌の調子もよくなったと言っています。

怪我が多く、そろそろ引退かもしれなかった僕は、この食事法で人生が変わったといっても過言ではない。食事が大切だということを伝えたいと思いました」(長友さん)

長友選手の専属シェフが自動献立レシピサイト「FAT ADAPT」で指導

こうした思いがこめられた著作『長友佑都のファットアダプト食事法 カラダを劇的に変える、28日間プログラム』(監修:山田悟、幻冬舎)も、このほど出版。

長友佑都のファットアダプト食事法 カラダを劇的に変える、28日間プログラム

1,404円

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さらには、ファットアダプト食事法をひとりでも多くの方が実践できるようにと「FAT ADAPT」を開発中。このサービスはDMM.comの健康的なレシピ提案アプリMENUS by DMM.com(メニューズ)」が、加藤シェフの献立指導をAI化する技術協力を行っており、7月末から本格始動とのこと。これによって、誰もが簡単に「ファットアダプト食事法」を理解でき、実践できるように。

メニュー提案を行う加藤シェフはこう話してくれました。

「たとえば、魚をおろすところから始める料理ではなく、 スーパーで手に入る食材、缶詰なども使いながらできるメニューも組み込んでいきたいと思ってメニュー開発をおこないました。

忙しい30代、40代の女性にとって重要だと思うのは、良質な脂質を摂取することだと思っていて、僕はよく“脳のクレンジングオイル”と表現するんです。たとえば、細胞膜は脂質でできていますが、それがやせ細ると、シワやたるみの原因にもなってしまうんです。

だから、野菜サラダにオリーブオイルをかけて食べるといったこともおすすめですね」(加藤シェフ)

最後に、長友さんからはこんな力強いエールが──。

「女性のみなさんには、日々健康で生き生きとして、きれいでいてもらいたい! と思っています。身体や肌の悩みを持つ方にも、僕自身が感じた効果を実感していただければ。

加藤シェフの料理は、ただ栄養があるだけでなくおいしいので、どんどん実践してキラキラと輝いていただきたいです」(長友さん)

長友佑都(ながとも ゆうと)さん
プロサッカー選手。明治大学在学中の2006年にU-22日本代表に初選出されて注目される。2011年から7年間、イタリアの名門チーム、インテルで活躍。現在はトルコリーグ・ガラタサライSKに所属し、リーグ2連覇、トルコ・カップ戦優勝の2冠を達成。日本代表としては3度、ワールド・カップに出場している。

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撮影/中山実華、取材・文/加藤智子、構成/寺田佳織(マイロハス編集部)

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