ピオッピ村は、イタリア南部チレント地方にある人口200人の小さな村で、病人の数は極めて少なく、地域の平均寿命は87歳。百寿者率は世界一。2010年に、ユネスコ無形文化遺産に登録された「地中海ダイエット発祥の地」であることでも知られています。
ピオッピ村の人々は、なぜ長生きができるのでしょう? その秘密を、抗加齢医学のエキスパート、医学博士の白澤卓二先生が監修した『世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式最高の長生き術』(わかさ出版)から探ります。
世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式 最高の長生き術 (わかさカラダネBooks)
1,598円
コレステロールはむしろ摂っていい
本書の著者、心臓の専門医であり英国肥満フォーラムアドバイザーのアシーム・マルホトラ博士は、「ピオッピ式長生き術」は、ただのダイエット法ではなく予防医療であるといいます。世界的に見ても、悪い食習慣によって引き起こされる悪影響で病気や死に至る率は、運動不足や喫煙、飲酒よりも多いのだとか。
単純明快にいえば、ピオッピ式長生き術は、体の調整に必要な食べ物、睡眠、動き、呼吸、運動といった要素がどういうものかを知り、それを実践するプログラムです。
『世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式最高の長生き術』17ページより引用
オーストラリアの研究者が行った研究によると、糖分や精製穀物、パスタの量などを抑えた地中海式ダイエットを12週間続けただけで、重度のうつ病患者の気分が大幅に向上したのだとか。いかに、食事が人体に大きな影響を与えているのかがわかります。
そして、「ピオッピ式長生き術」では、低コレステロールはむしろ逆効果。コレステロールは、最も生命維持に必要な微分子で、これがなければ人は死んでしまうというのです。コレステロールを恐れるのではなく、むしろうまく付き合いながら病気リスクを下げていく必要があるのだといいます。
このように、「ピオッピ式長生き術」は、ただ痩せればいいという考え方ではないことが分かるでしょう。
高強度トレーニング(HIIT)が効果的
「ピオッピ式長生き術」は、単に食事に気をつけるだけではありません。ピオッピ村の人々が、伝統的に畑で働いてきた労働のあり方にも長寿の秘訣があるといいます。
ピオッピの男性が成人してから習慣的に毎日畑でやってきた“労働”の形について考えてみると、実にさまざまな強度の運動が行われていることがわかります。
『世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式最高の長生き術』118ページより引用
ピオッピ村の人々は、起伏の激しい畑を日常的に歩くことで、1日1万歩は軽く上回り、断続的な薪割りやきつい作業で強度の高い運動ができるはず。このピオッピ式の運動スタイルから、緩やかなトレーニングよりも、高強度の運動を短時間繰り返す高強度トレーニング(HIIT)のほうが体に大きな効果をもたらす、という点が見えてきます。
さらには、アメリカのメイヨー・クリニックが発表した研究を引用して、次のように述べられています。
HIITは、老化によって弱まる重要なプロセス、すなわち「心肺機能、インスリン感受性、ミトコンドリア呼吸、除脂肪体重(FFM)をしっかりと向上させることができます。
『世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式最高の長生き術』124ページより引用
ミトコンドリアは、近年、体を動かすエンジンとして注目されている細胞小器官ですが、HIITを行うことでミトコンドリアがエネルギーを生み出す能力は69%も上昇したのだそう。そのようなことからも、高強度のトレーニングが老化の特効薬になり得ると考えられます。
1日3食、満足するまで食べていい!
本書では、21日間でできる「ピオッピ式長生き術」が紹介されています。これは基本ルールに則った食生活を守りつつ、1日1種類ずつの運動を継続して行うものです。
通常、ダイエットだと厳しい食事制限を強いられるものですが、この方法だと1日3食、満足感を覚えるまで食べていい点が嬉しいところ。ナッツ類は1日軽くひとつまみ分、赤身の肉も適量であれば良いといいます。
積極的に食べるべき必須食品は、以下の通り。
ピオッピ式長生き術・必須食品ベスト10
エクストラバージンオリーブオイル ナッツ類 繊維質の野菜 果実 ハーブ、スパイス 脂ののった魚 ブラックチョコレート(カカオ85%以上、固形)と未加工カカオパウダー ココナッツ 卵 全脂肪乳製品と発酵乳製品『世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式最高の長生き術』188〜204ページより抜粋引用
なかでも、少なくとも大さじ2〜4杯のエクストラバージンオリーブオイルを毎日摂取することを勧めています。
たとえば、必須食品を使った料理である「キュウリとアボカドの冷製スープ」は、フードプロセッサーさえあれば手軽に調理できるもの。キュウリ、アボカド、トマト、オリーブオイルやヨーグルトなどを入れて、混ぜるだけ。数々の必要な栄養素を満たせる点がいいですね。
キュウリとアボカドの冷製スープ(P.268)ほかにも、添加糖分やパン、パスタ、ライスなどの炭水化物は避ける、週に1回、ファスティング(断食)を行うのも有効など、「ピオッピ式長生き術」を実践するさまざまなコツが本書で紹介されています。
決して裕福でも、都会のように整った施設があるわけでもない牧歌的なピオッピ村。しかし、そこに住む人たちが自然の営みに逆らわずに、身体を動かし、ほどほどの食事を嗜んでいる。そんな生き方を取り入れていくことで、私たちは長寿を手に入れることができるのかもしれません。
長生きの工夫いろいろ
世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式 最高の長生き術 (わかさカラダネBooks)
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[世界一長寿で幸せな村 イタリア ピオッピ式最高の長生き術]image via shutterstock、料理写真:わかさ出版提供
こういうのって民族ごとの体質によるもんじゃないのか
>少なくとも大さじ2〜4杯のエクストラバージンオリーブオイルを毎日摂取
簡単に言うけど紛い物入りのオリーブオイルがちょっと前問題になったばかりなのに
地球の裏の日本だと時々使う嗜好品じゃなく毎日分とか大変だろ
国産で高くない胡麻油と同程度で手に入る位それこそ日本でも大量生産出来る様にならんと無理だわ
現状だと四国の1部位だろ作ってんの
日本に住んでる限り大半の人が不可能な生活方法なんか勧められても困る
それができないから困ってるんだろうがってことしか書いてねえ
当たり前だけど過疎の村は平均寿命長いよ。
長生きとか心底興味ない
健康で次の日眠るように旅立つ人生、それに尽きる