栄養バランスのよい食事をとるコツ
Q.1 栄養的に「よい献立」ってどんなもの?
大切なのは、食品から摂取されるエネルギー、栄養素が、健康を維持&増進するために見合ったものであること。もちろん、見た目の美しさや旬の食材が取り入れられているかどうか、味付けは好みに合っているか、も重要です。
Q2.食事のスタイルは「定食」がいい?
ご飯などの「主食」に、肉、魚などのたんぱく質素材のメインのおかずである「主菜」、味噌汁などの汁物、野菜やきのこなどのおかずである「副菜」をセットにした「一汁二菜」、さらに、大豆製品、芋、野菜などのおかずをもう一品追加して「一汁三菜」とするスタイルもあります。こうした定食スタイルは、一度にさまざまな食品を活用することができ、食材のバランスもとりやすくなります。
Q3.お昼は出先でコンビニのランチしか食べられません。どうしたらいい?
DutchMen / Shutterstock.comおにぎりとお茶だけ、ではなく、おかずを添えて「主食」「主菜」「副菜」を揃えるようにして食べるのがおすすめ。穀類の単品だけの食事では、必要な栄養素が揃いません。
摂取したエネルギーは、ビタミンやミネラルの力を借りて体内で活用されます。四群点数法のやり方を参考にして、1日の献立を考えてみるとよいでしょう。
Q4. 四群点数法に基づけば、よい献立が実践できるの?
四群点数法は、1日に食べるとよい食材の種類と量を把握し、野菜や乳製品などの不足しがちな食品を優先的にとり入れ、卵・肉・魚・豆製品などをまんべんなく使うのが基本。
そのうえで、穀類や油脂の量に気をつけたら、1日に摂取するエネルギー量が簡単に調整できます。簡単なルールを覚えれば、誰でもすぐに実践可能!
まずはその基本のルールを簡単にご紹介しましょう。
基本ルール
01.1日のエネルギー摂取量から、1日の総点数を決める。
1日のエネルギー摂取量は人によって異なります。たとえば、30〜49歳の女性で、身体活動レベルがI(低い)の場合では、1日に必要なエネルギーは1750 kcal(「日本人の食事摂取基準(2015年版)より」)ですから、1日あたりの合計点数は21.8点(1750kcal÷80kcal)となります。
02.各食品群への配分を決める。
まずはわかりやすくするために、活動量の少ない人でもかならず取るべき量である、1日20点(1600kcal)を基本量として考えます。
正しい配分:第1群 3点+第2群 3点+第3群 3点+ 第4群 11点=20点
悪い例1:第1群 4点+第2群 3点+第3群 2点+ 第4群 11点=20点
悪い例2:第1群 2点+第2群 4点+第3群 3点+ 第4群 11点=20点
いずれも第1群から第3群の合計が9点でも、栄養バランスが偏ってしまう例です。
03.各食品群の中での食品のとり方の基本から決める。
【第1群(3点)】 乳・乳製品2点(250g分)+卵1点(55g分)が基本
【第2群(3点)】 魚1点(50g)+肉1点(50g)+豆・豆製品1点(80g)が基本
【第3群(3点)】野菜1点(350g、うち1/3以上は緑黄色野菜)、芋1点(100g)、果物1点(200g)が基本。
【第4群(9点)】穀類9点+油脂1.5点(植物油で大さじ1強)+砂糖0.5点(大さじ1強)が基本。
Q5. 四群点数法の数え方は理解できました。でもどこから手をつければいい?
朝、昼、夜の献立を、4つの食品群と一汁二菜を組み合わせて、以下のような順番で考えていくのがオススメ。和食だけでなく、洋食や中華でも同じように考えてみて!
01.主食を決める
第4群の穀類(ご飯やパンなど)を選ぶ。
02.主菜を決める
第2群の魚、肉、豆・豆製品から主材料を選ぶ。第1群の卵もここに。
03.副菜、副々菜を決める
第3群の野菜、きのこ、海藻、芋から材料を選ぶ。主菜で使わなかった乳・乳製品、豆・豆製品、また果物を使っても◎。
04.汁物、飲み物を決める
主菜、副菜に使わなかった材料を使う。
実践で学ぶ女子栄養大学のバランスのよい食事法―四群点数法による献立づくりの基本
2,160円
次回は読者アンケートの質問で多かった、「野菜の上手な摂り方」をご紹介します。
川端輝江(かわばた・てるえ)教授
女子栄養大学教授。栄養学博士、管理栄養士。1986年女子栄養大学大学院栄養学研究科栄養学専攻修士課程修了。2007年より現職。著書に『しっかり学べる!栄養学』(ナツメ社)、『基礎栄養学ーー栄養素のはたらきを理解するために』(共著 アイ・ケイコーポレーション)、『なにをどれだけ食べたらいいの?』(共著、女子栄養大学出版部)ほか多数。
参考著書:『実践で学ぶ 女子栄養大学のバランスのよい食事法(第3版)』 (女子栄養大学出版部 第3版 /2016年)