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「おしっこのにおい」でわかる身体の異変。尿が臭い原因は?
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「おしっこのにおい」でわかる身体の異変。尿が臭い原因は?

2020-01-22 12:00
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    尿は健康管理のバロメーター。

    「古くから、医師など医療従事者は、尿の色を見たり、においを嗅いだり、またなめてさえして検査を行ってきました」と話すのは、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の泌尿器外科医であるマイケル・オライリー医師です。

    今日では、尿を調べることで、いろいろな健康状態に関する情報を手に入れることができます。「尿は、水分の補給状態、肝臓・心臓の状態、ホルモンバランス、また睡眠の質についてもヒントをくれます」とつけ加えるのは、ウェイルコーネル大学の泌尿器科医であるデューン・タナカ医師。

    実際、尿のにおいの異変から、病気がわかることがあります。今回は、尿がにおう13の原因を医師が解説します。

    1. 単に水分が不足している

    「何も不思議なことでなく、水分がしっかり摂れていなければ、尿の濃度は濃くなり、アンモニア臭が普段以上に強くなります」とデューン医師。要するに、腎臓でろ過された老廃物を排出するための水分が十分足りていないということです。

    キツイにおいの尿は、色も濃い目なのが一般的です。オレイリー医師は、それはコップ一杯の水をたっぷりと摂った方がよいという体のサインであるとつけ加えます。

    2. 尿路感染症や膀胱感染症かもしれない

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    「膀胱や尿路が細菌に感染すると、尿が臭くなるのはよくあること。特に女性の場合、男性に比べて、尿道が短く、細菌が膀胱に入りやすいため感染しやすいのです」とオライリー医師。米国国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所によると、女性の40~60%が一生のうち少なくとも一度、4人に1人は複数回、尿路感染を経験するそう。

    「そもそも尿は、理論上では無菌の液体で、細菌が加わることでにおいが出ます」とオライリー医師は説明します(ウンチがにおうのも、消化管の細菌のせいです)

    3. カンジダ感染症かもしれない

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    カンジダ感染症は、膣や外陰部に酵母真菌が増殖して発症します。これは女性のほとんどが一生のうち一度はかかる感染症です。カンジダ感染症そのものは、尿のにおいに直接影響することはありませんが、間接的にトイレで気になるにおいに影響しているのです。

    デューン医師によると、排泄時に膣の中にある細菌類と尿が交わり、そこから化学的な反応が起きて悪臭につながるそう。それに加え、多くの女性は膣が感染してにおっているのを、尿のにおいだと勘違いしていることもよくあるのだとか。

    4. コーヒーをたくさん飲んだ

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    「コーヒーには、弱い利尿効果があり、体から水の排せつを促すのです。このことで軽い脱水状態を引き起こすことになるのですが、このことがアンモニア臭のする尿の原因になることもあります」とデューン医師。

    「加えて、コーヒーの成分を体内で処理していく過程で生じる代謝産物(副産物)も尿のにおいに影響することもあります」とデューン医師は付け加えます。この場合、ラテを飲んだ後に水分補給を心掛けていれば、何も心配することはありません。

    5. ニンニクや玉ねぎをたくさん食べた

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    ここでも代謝産物がまたおしっこのにおいに悪さをしているのです。「食品によって、生み出される代謝産物も異なってきます」(デューン医師)。

    食品を食べた量次第で、尿のにおいが変化するのに気付くはず。食品の中でも特にニンニクと玉ねぎが尿のにおいに影響するそう。

    6. 酵素が不足している状態で、アスパラガスを食べた

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    栄養成分たっぷりのアスパラガスは、尿のにおいにも影響します(そのにおいは、キャベツが腐ったようなもの、とよく言われます)。

    「アスパラガスに含まれる尿のにおいを強くする有機化合物を分解するための酵素を持つ人と持たない人がいます」とオライリー医師。そのような酵素を体内に持つ人のことを、アスパラガス無嗅覚症といいます。

    分解酵素を持たなければ、アスパラガスを食べると尿がにおいます。『British Medical Journal』誌で報告された研究によると、およそ4割の人がアスパラガスを食べると尿のにおいの変化に気が付くそう。

    7. 糖尿病(あるいは前糖尿病)のサイン

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    排尿回数や尿で排出されるものに異変があれば、それは糖尿病のサインかもしれません、とオライリー医師。

    1型糖尿病と2型糖尿病のどちらででも、糖分を分解する機能が正常に働かないことで、尿に糖(ブドウ糖)が排出されます。「ラテン語のメリティス(糖尿病)とは甘いという意味で、糖尿病になると甘い尿が出るととらえられていました」(オライリー医師)

    幸いにも、簡単な尿検査で尿中のブドウ糖を検査可能。検査結果をみて、血糖値を正常にもどす治療を受けることができます。既に糖尿病と診断され、その上で尿から甘いにおいがするなら、血糖値のコントロールがうまくいっていないサインかも。医師を再度受診したほうがよいかもしれません。

    8. ビタミン剤をたくさん飲んでいる

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    マルチビタミン剤(他にもビタミンを含むサプリメント)を飲むと、数時間後の尿の色やにおいにギョッとなります。これは誰もが経験があることで、心配しなくても大丈夫。

    「マルチビタミン剤でも特にビタミンB6などは、尿の色やにおいに影響します」とデューン医師は言います。ビタミンBは、尿の色を鮮やかな黄緑色にします。

    9. 性感染症かもしれない

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    米国疾病対策センター(CDC)によると、特定の性感染症、特にクラミジア感染やトリコモナス症は、男女どちらでも排尿痛を起こしたり、尿のにおいをきつくしたりするそう。

    性感染症によるおりものの異常を尿のにおいと勘違いしている女性も少なくありません、とデューン医師は言います。

    クラミジア感染やトリコモナス症のいずれも(そしてその他の性感染症も)、はっきりとした症状を出さないことあるのです。しかし、不妊の原因になるなど、後々まで深刻な影響を及ぼすことも。定期的に検診を受け、少しでも異常を感じれば、すぐに医師への受診を。

    10. もしくは、腎臓結石がある

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    体が脱水状態になると、体内にあるミネラル分が腎臓内で結晶化しやすくなり、結石ができることも。米国腎臓財団によると、小さいものは気付かれることなく排出されますが、大きいものの場合には、激痛を引き起こしたり、尿を濁らせたり、においをきつくしたり、ひどい場合には血尿の原因になったりすることがあるそう。

    腎臓結石は腎疾患のリスクを高めるので水分補給を心掛け、医師に相談して、生活スタイルや食生活の改善に取り組んで予防するのが大事。

    11. 薬の副作用

    デューン医師によると、特定の薬は、代謝産物に影響したり、尿のpH値を変えたりし、そのせいで尿のにおいが変わることがあるそう。糖尿病の薬や尿路感染の治療薬などがそうです。

    12. 膀胱膣瘻(ぼうこうちつろう)

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    瘻孔(ろうこう:臓器間にできる穴)は膀胱によくできることがあります。米国泌尿器科学会によると、瘻孔で膀胱と隣接する腸や膣との間につながりができてしまい、それにより、尿のにおいなど、様々な問題を引き起こすことがあります。

    ほとんどの場合、膀胱と腸がつながる膀胱膣瘻は、クローン病などの炎症性腸疾患が原因とされています、とオライリー医師は説明します。しかし、婦人科がんや結腸がん、また膀胱周囲の手術後に瘻孔になる場合も。

    膀胱膣瘻によって、膀胱内に他の臓器の細菌が入り込み、尿道感染症、ウンチのような見た目やにおいの尿、泡っぽい尿といった症状が出ます。

    13. 先天性代謝異常症が原因かもしれない

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    非常にまれではありますが、先天性代謝異常症(食べ物に含まれる栄養素をエネルギーにする体の機能に影響)も尿のにおいに影響します。

    デューン医師の説明によると、尿ににおいが出る先天性代謝異常症の代表は、アミノ酸の代謝が阻害されて起きるメープルシロップ尿症で、尿が甘い特有のにおいがするそう。幸いにも、この病気は幼児期に発見され治療が受けられます。

    またフェニルケトン尿症といったその他の先天性代謝異常症でも、尿のにおいに影響がでることも。フェニルケトン尿症の場合、先天的な酵素の異常によって、必須アミノ酸のフェニルアラニンの代謝が阻害され、フェニルアラニンが蓄積し、それによって息や尿が臭くなります。その他の症状としては、発疹や、てんかんの発作があります。

    どのタイミングで医師に相談すれば?

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    尿ににおいがあるだけでは、必ずしも身体の異常サインというわけではありませが、他の症状もある場合には、気を付けた方がよさそうです。

    尿の色が濁っていたり、血が混ざっていたり、排尿痛があったり、排尿回数がいつもより増えたり減ったり、腰痛や腹痛といった症状を伴っていれば、医師を受診することをデューン医師はすすめます。

    症状が2、3日続いて入れば、医師を受診してください、とオライリー医師も言います。自分で分かりにくい時には、まずは医師に診断してもらうとよいかもしれません。

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    Lauren Del Turco/13 Possible Reasons Your Urine Smells Terrible, According to Doctors/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

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