若い頃は体重増、中年以降は体重減が早期死亡のリスク

早期死亡のリスクを高めることには、成人期にずっと肥満であること以外に、20代半ばから中年期までの体重増加、および中年期以降の体重減少も関係するという研究結果が報告されました。研究者たちは「若年成人期から標準体重を維持することで、早期死亡リスクは抑えられます」と話しています。

この報告を行った中国の研究チームは、1988~1994年と1999~2014年の米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した40歳以上の成人36,051人(平均年齢57.1歳、女性52.9%)のデータから、体重の変化と死亡リスクとの関連を解析しました。

体重は、調査時点は実測値を用い、25歳時点と調査の10年前(平均47歳時点)については本人の記憶する体重としました。平均BMIは25歳時点で23.4、調査の10年前で26.6、調査時点で28.2でした。

平均12.3年の追跡期間中、10,500人が死亡しました。研究グループは、データを年齢、性別、人種・民族、教育レベル、経済状況、配偶者の有無、糖尿病や心筋梗塞の家族歴、飲酒・喫煙・身体活動習慣、食習慣スコア、自己申告による健康レベルで調整した上で死亡リスクを検討しました。

25歳~中年期に肥満だった人・肥満になった人の死亡リスクは高い

まず、25歳(若年成人期)から調査10年前(中年期)までに非肥満から肥満に移行した人は、標準体重のままでいた人に比べ、総死亡リスクが1.22倍、心疾患による死亡リスクは1.49倍で、統計的に有意に高リスクでした。

また、この期間を通して肥満だった人は標準体重だった人に比べ、総死亡リスクは1.72倍、心疾患による死亡リスクは2.43倍と、統計的に有意に高い結果でした。

中年期以降に肥満を脱した人は肥満だった人と同様、高リスクに

次に、中年期以降(平均47歳時点から調査までの10年間)を通して肥満だった人は、標準体重のままでいた人に比べ、総死亡リスクは1.2倍、心疾患による死亡リスクは1.44倍と、統計的に有意に高い結果でした。

ところが、この期間に肥満から非肥満に移行した人を調べたところ、標準体重のままでいた人に比べ、総死亡リスクは1.3倍、心疾患による死亡リスクは1.48倍で、統計的に有意に高リスクだったのです。

なお、25歳から調査時点までに肥満から非肥満に移行した人では、死亡リスクに統計的に有意な違いは見られませんでした。

これらの結果について研究グループは、「今回の研究で因果関係が証明されたわけではなく、体重変化と早期死亡リスクとの関係の一部は、今回は検討対象とならなかった別の原因によるものである可能性もあります」と研究の限界を述べた上で、「成人期を通して肥満であることや、若年成人期から中年期での体重増加、中年期以降の体重減少は、死亡率の上昇と関係しており、成人期を通じて標準体重を維持することの重要性が浮き彫りになりました。早期死亡を防ぐには、特に若年成人期の体重増加を予防することが重要です」と指摘しています。

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HealthDay News 2019年10月17日/Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.(参考情報)Abstract/Full Text/image via shutterstock

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