生理だからといってコンドームを使うのをやめる前に、生理中でも妊娠の可能性があることについて理解しておきましょう。さっそく産婦人科医に聞いてみました。
生理周期とは?
image via shutterstock生理中に妊娠するかどうかを知る最初のステップは、自分の生理周期を理解すること。ただし、これはちょっと複雑です。ほとんどの女性の生理周期は大体28日間ですが、いつもそうとは限らないし、月によって変化することも。
この(平均的な)28日間の周期は、月経(生理)からはじまる、いくつかの期間に分けられます。生理が来た日を第1日目とカウントします。月経はおよそ7日間ほど続いた後、体が準備を整えて卵胞を発達させます。月経から排卵までを卵胞期といいます。
体が受精を目的として卵子を放出させると排卵期となり、その後に黄体期があります。卵子が受精すれば、そのまま妊娠ということになりますが、受精しなかった場合は、いつものように子宮の内膜が剥がれ落ち、生理が始まります。このサイクルが繰り返されるのです。
「排卵が起きてから妊娠せずに生理が始まるまでの期間は14日間です。卵胞期と呼ばれる卵子の準備期間は、人によってばらつきがあります」と説明するのは、イェール大学医学大学院産婦人科教授のメアリー・ジェーン・ミンキン医師です。
生理中でも妊娠するの?
image via shutterstock生理であろうがなかろうが、セックスをすればいつでも赤ちゃんができる可能性はあります。ただし排卵の最中に性行為を行えば、妊娠の可能性が高くなりますが、生理中の性行為で妊娠する可能性は、生理周期がかなり短い人でない限りは非常に低いです。
「生理の最終日にセックスをすると、精子はしばらく体内に留まります」とミンキン医師。
「生理中に排卵が起こることは滅多にないのですが、生理の最終日に精子を体内に取り込み、生理周期のかなり早い時期、月経後4〜5日で排卵が起きると、卵子が受精する可能性があり、そうなれば結果的に妊娠します」
ミンキン医師いわく、ほとんどの人は短い生理周期ではないし、卵子が受精するにも通常は時間がかかるので、そうしたことは頻繁に起こることではないのですが、それでも可能性はある、とのこと。だからこそ、生理中に妊娠するリスクがあるかどうか、最も受精しやすいのはいつなのかを知るには、排卵の時期を知ることが重要になってきます。
「一般的に、生理が23日周期なら、おそらく9日目くらいに排卵があります。33日周期であれば、排卵があるのは19日目です」とミンキン医師。
排卵期は12〜48時間ですが、精子は体内で4〜5日は生存できるので、最大7日以上は受精することが可能な期間となります。これは実際にはかなり幅広い期間だとミンキン医師は指摘しています。
妊娠を避けるにはどうしたらいいの?
image via shutterstock妊娠しないようにしているなら、ピルやコンドームなど、常に避妊手段をとるようにしましょう、とミンキン医師。膣洗浄や膣外射精といった、あくまで噂にすぎない予防措置に頼ってはダメ。なぜなら、これらは効果がないからです。
「あなたを妊娠させるかもしれない精子は、射精後にただちに体内に入りこんでしまうのが問題です。子宮頸にとどまるのも20分以内なので、性行為の1〜2時間後に膣洗浄をしても妊娠を防ぐことはできません。
膣外射精に関しても、精液の最初の1滴にさえもかなりの数の精子が含まれいます。何百万もの精子が集まっているわけです。したがって、すぐに引き抜いたとしても(よく知られているように)1〜2滴の精液だけでもじゅうぶん妊娠可能なのです」
したがって妊娠したくないなら、自分を守る唯一確実な方法はセックスをしないことしかありません。それ以外では常に妊娠の可能性があるため、かしこく安全に避妊をすることが大切なのです。
──この記事は、2018年7月26日の記事を再編集して掲載しています。
意外に知らない生理のこと
訳/Maya A. Kishida