知識も経験も豊富で一見完璧に見える女性。しかしその中に、ふと垣間見える言葉遣いや身だしなみ、仕草、コミュニケーションで損している、「なんかもったいない!」と感じる女性が意外と多いこと、ご存じですか?

この連載では、そんな残念ポイントを自分なりにチェックでき、読者のみなさんが真の大人女性に近づくための手ほどきができればと思っています。

ビジネスシーンで多い「お願い」案件

今回は、外出自粛でリモートワークが増える今だからこそ知ってほしいLINEやメールを通してのコミュニケーションスキルをお届けします。

人とコミュニケーションをとるシーンにおいて、誰しも一回は「お願い」というワードを使ったことがあると思います。逆にお願いされることだってありますよね。

特にビジネスシーンにおいて、この「お願い」案件はかなり乱発していることでしょう。そして実際に会ってお願いするのと、メールやLINEなどのテキストでお願いするとでは、テキストの方がはるかにハードルは高いです。

なぜなら、実際に会ってお願いする方がリアルに「困った表情」を作れますし、お願いされた方も、その場で言われると面と向かって断りづらいのも正直ありますからね。

では、ちょっとハードルの高い、LINEやメールを通してのお願いの仕方について、みなさんと考えてみたいと思います。

Q.取引先の相手に企画書を送ってもらいたいとき、メールでどうお願いする?

相手は仕事関係の取引先としましょう。下の回答の中から、あなたなら、どれを選びますか?

○○様、メールで企画書を送ってください。 ○○様、メールで企画書を送ってもらえると幸いです。 ○○様、メールで企画書を送ってもらえると助かります。

このあと、それぞれの回答について、僕なりのコメントをしたいと思います。

1.「○○様、メールで企画書を送ってください」を選んだあなた

もちろん、内容としてはまったく問題ないですが、もしあなたが受け手だとしたらなんだか一方的な印象を受けませんか?

この文章のあとに、「よろしくお願いします」を付け足したとしても同じです。

お願いごとは理解できたとしても、この人ためにすぐに行動に移そうとは残念ながら思えません。そのため、不正解です。

2. 「○○様、メールで企画書、送ってもらえると幸いです」を選んだあなた

3つの回答の中では、いちばん丁寧です。ただ、少し他人行儀すぎる気がしませんか? ちょっと冷たい感じの印象を受けます。

仮に実際会って会話は弾んだたあとにこの内容が送られてきたら、ちょっと距離を感じてしまいます。

表裏がある人なのかな、などとその人の人格まで少し疑ってしまいますから、こちらも不正解です。

3. 「○○様、メールで企画書、送ってもらえると助かります」を選んだあなた

正解は、3番です。ポイントは、このテキストの「助かります」のちょっとしたワードです。

このワードであれば、その人のキャラクターが浮かんでくる、また、感情の温かみが見えるからです。自分が受け手だとしたら、「だったらすぐに助けてあげたいな」と思ってしまいます。

しかも、社外社内問わず、先輩後輩限らず、オールマイティに使えますからね。フランクなパターンなら、「○○くん、○○してくれたら、助かるわ」という風に、お願いごとの最後に「助かる」というワードをつけるだけでいっきに距離が縮まります。

「自分がこれからすることが、この人のことを助けるんだ」と自覚するんですから不思議ですよね(笑)。

ビジネスマナーの教科書には、2番が正解と書かれてあるでしょう。ただ、その基準は、ビジネスにおいて相手に失礼か? 失礼じゃないか? の基準。

僕がこのコラムで伝えたいのは、あくまでいろんなシーンで使える、人の人間味や温かさの伝わるテキストなんです。それがお互いの距離を近づけるコミュニケーションになるわけです。

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