MYLOHASの新年1本目は、人気連載「こぐれひでこの『ごはん日記』」の著者、こぐれひでこさんに聞いたゆく年くる年「Hello 2021, Thanks 2020」からスタートします。
2000年2月、MYLOHASの姉妹サイトでスタートした「ごはん日記」は、2021年2月で丸21年。MYLOHASにお引越ししてから数えても、8年目を迎えようとしています。
なぜ、これほどまでに人気があるのでしょうか?
いろいろな理由が思いつくのですが、そのひとつは「読むだけで、元気がもらえるから」。毎日毎日、何を食べようかと考え、食べては「おいしい!」とよろこぶ。たまに「うーん、いまいち」としょんぼりする。こぐれさんの食卓をのぞかせてもらうと、幸せとは、そういうことなのではないかと思えるのです。
「今日もおいしいものを食べよう!」と思わせてくれる「こぐれひでこの『ごはん日記』」は今年も毎日更新予定。そしてその前に、こぐれさんの“ゆく年くる年アンケート”をぜひどうぞ。
心ここに在らずの2020年。でも「じゅんさい鍋」はおいしかった!
「体験したことのないおいしさ。これはすごい」(2020年7月18日の「ごはん日記」より)2020年はこぐれさんにとってどんな年でしたか?
コロナコロナで明け暮れた2020年。それほど神経質になっていたつもりじゃなかったのに、冬から春に、春から夏に、夏から秋に、秋から冬に、季節がどんなふうに移っていったのか、記憶が希薄。なんとなく「心ここに在らず」的な、ぼんやりした日々。こんな1年、73年間生きてきて、初めてでした。
仕事やプライベートでは?
仕事は、長年続いている仕事を変わらず淡々とやらせていただいています。
プライベートでは2020年の後半、TORU君が階段を踏み外して転倒、骨折。その1週間後、私が車のドアに手を挟んで薬指を骨折。そのまた1週間後、TORU君の仕事パートナーが自転車で転んで膝を骨折。3名の年齢は74、73、72歳。骨折老人チームです。
コロナだけじゃなく、日々の行動にも気をつけなくちゃ、としみじみしています。
そのほかうれしかったことや感動したことなどを教えてください
パス! 老人になると感受性が鈍るんだと思う(笑)。
でも、2020年でいちばんおいしかったものは、と聞かれたら、TORU君の誕生日に、友人たちが秋田から取り寄せてくれた『じゅんさい鍋』。じゅんさいが鍋として使われるなんて驚き。しかも、初めて味わうおいしさだった。これは心に残る。
「驚くほどたっぷりのじゅんさい。水菜、舞茸、比内地鶏肉、比内地鶏スープ、だまこ(お米の団子)、ごぼう、長ねぎ。舞茸とごぼうとだまこをしばし煮てから水菜とねぎ。じゅんさいを加えてさっと火が通ったら、各自食べる」(2020年7月18日の「ごはん日記」より)「老いていくってこんな感じなのね」と思ってもらえたらうれしい
2021年はどんな年にしたいですか?
(忙しくなんかないのに)いつも「あ、あれしなくちゃ!」と思って、せかせかしている生活態度を、もっとおおらかな態度に改めたいと思っています。
仕事やプライベートで取り組みたいことまたは心がけたいことは?
ちまちました趣味のようなことを見つけたいと思うけれど……まだ見つかっていません。
健康のために「これを心がけます」ということがあれば教えてください
朝ヨガ&夜ヨガ、朝の散歩。
合計60分の軽くて簡単な運動だけど、これだけは続けようね、と自分に言い聞かせています。
「TORUシェフはマトンのクスクスに挑戦。クスクス、おいしくできました。はなまる!」(2020年4月8日の「ごはん日記」より)。日記からはお二人の仲の良い暮らしぶりもうかがわれる。こぐれさんの連載を楽しみにしている読者にメッセージを
「他人の食卓を覗くのって面白いかも」という考えで始まった「ごはん日記」。ご馳走を食べる日もあれば、ひとつしかないラーメンを分け合って食べる日も。アイデアを駆使する日があれば、思いっきり手抜きの日も。
この日記が始まったころ、53歳だった私は、もうじき74歳。食欲旺盛だったスタート時と比べたら、ずいぶん少食になりました。お酒も弱くなったので、昔に比べ「二日酔い」の日が激減。「ああ、老いていくってこんな感じなのね」と思ってくださると嬉しい。
もうちょっと「ウチのごはん」を公開させていただこうと思っていますので、どうか覗きにきてください。
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本年の「こぐれひでこの『ごはん日記』」 は昨年掲載分の続き、2020年12月20日分からスタートします(毎日午前11時30分更新)。
こんな食事をしたい、そして、こんなふうに年を重ねたい、と思わせてくれる「ごはん日記」を、今年もどうぞお楽しみに。
こぐれひでこさん
1947年埼玉県生まれ。イラストレーター。大学卒業後パリに住む。帰国後デザイナーとして活動した後、イラストレーターに転身。食や暮らしに関するイラストやエッセイを中心に執筆。2000年2月から始まった「こぐれひでこのごはん日記」はもうすぐ21歳。朝昼晩の食事をバランスよく、かつバリエーション豊かに食べること。それが人生の楽しみ。
「ごはん日記」の裏話
もうじき20周年! 担当編集者が語る「こぐれひでこのごはん日記」秘話