そんななか、「日本は取り残されている」という危機感から誕生したのが「BIOLOGIC PHILOSOPHY(ビオロジックフィロソフィ)」です。
サーキュラーエコノミーコンセプトのビオロジックフィロソフィとは
サーキュラーエコノミーをコンセプトに誕生した「BIOLOGIC PHILOSOPHY」「ビオロジックフィロソフィ」は、株式会社GSIクレオスが一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパンと連携し、サーキュラーエコノミーを実現するために2021年3月にスタートしたD2Cブランド(メーカーやブランドが、自社で生産した商品を、流通業者を介さず自社ECサイトで直接消費者に販売するブランド)です。
実はファッション産業は、石油産業に続いて世界で2番目に環境を汚染している産業。大量の衣類が生産される工程で大量の水が消費され、大量の二酸化炭素が排出されています。にもかかわらず、ほとんどの服が7回から10回程度しか着られず、焼却や埋め立て処分をされているそう。
このファッション産業の課題を解決するため、世界では多くのアパレルブランドやテキスタイルメーカーがサーキュラーエコノミーへと移行。その流れを受けて日本で立ち上がったのが「ビオロジックフィロソフィ」です。
「サーキュラーエコノミーの実現」をコンセプトに掲げており、そのブランド名を直訳すると「生物哲学」。私たちがこれからも地球上で生きていくことを可能ために必要なことを考え、実現していくという思いが、ブランド名からも伝わってきます。
廃棄を防ぐことを考えた「サーキュラー素材」を採用
サーキュラーエコノミーとは、循環型経済といわれる持続可能な経済活動を表す言葉です。
ビオロジックフィロソフィでは、製品として長く使うことができ、その後、再び素材として再利用することができるサーキュラー素材(原料を循環させて使い続けることが可能な、廃棄をされない素材)を採用。さらにその中でも「世界で最もサスティナブルな工程で作られている」と考えられるファブリックやパーツを使用しています。
サーキュラーエコノミーの3原則(下記画像参照)にのっとり、商品企画の段階から、修復や再利用、用途の変更がより簡単に行えるように設計するとともに、人と環境に対して安全性が高く、より耐久性に優れた素材の開発も行っています。
サーキュラーエコノミー3原則そしてこの3月、ビオロジックフィロソフィのコレクション第一弾として登場したのが、トルコの「ISKO」のリサイクルコットンデニムを採用した「ISKO DENIM ジャケット」と「ISKO DENIM ストレートボーイズ」です。
どのようにサーキュラーエコノミーを実現しているのかをご紹介します。
ユニセックスのISKO DENIMジャケット
ISKO DENIM ジャケット カラー:ネイビー/インディゴ サイズ:M/L 価格:16,500円(税込)デニムといえば、製造工程で大量の水が使われることでも知られていますが、このジャケットのデニムは、持続可能なものづくりで世界をリードする1904年設立のグローバルデニム生地ブランド「ISKO社」のR-TWOデニムが使用されています。ISKO社は、北欧エコマーク「ノルディック・スワン・エコラベル」と、「EUエコラベル」認定を受けた世界最初のデニムメーカーでもあります。
綿から糸にして撚りをかける(スピニング)ときに、10%程度の綿がロスとして出ます。その綿を再利用したリサイクルコットンと再生ポリエステルとの混紡糸で織り、さらに、水の使用量を50%抑えた環境に配慮した工程で生産されているのがISKO R-TWOデニム生地です。
このデニムジャケットには、13.5オンスのデニムが採用され、しっかりした風合いとストレッチ感が特徴。ボタンは溶解してリサイクルできるオールアルミ製で、日本のYKK社のもの。オーバーサイズで、ゆったりシルエットになっています。
ボタンは溶解してリサイクルできるオールアルミ製ユニセックスで着られるように、2(M)と3(L)の2サイズ展開。デザインはサーキュラーエコノミーを実現するビオロジックフィロソフィの理念を表現した長く愛用できる飽きのこないものに。
さらに、長く着られるようにとサイト内では「清水屋」とのコラボレーションしたランドリーソープの販売や、お手入れ方法が紹介されています。お直しやリメイクの取り組みにも着手しているそうで、一生ものになるかもしれません。
競合ではなく、協働するライフスタイルブランドへ
ものづくりのひとつの手法として、サーキュラーエコノミーを採用するのではなく、サーキュラーエコノミーありきでスタートしたビオロジックフィロソフィは、われわれ消費者や関係者とともに、サーキュラーエコノミーへの移行を加速するプラットフォームという位置づけだそう。
「競合という概念をなくし、協働することで、持続可能なライフスタイルを日本に定着させたいと考えています。ブランドを立ち上げるなかで、さまざまな仲間たちとの出会いが生まれています。その仲間やお客様と、さまざまな商品や活動をライフスタイル全般に広げていきます」(ビオロジックフィロソフィ担当者)
今シーズンはほかに、トップスやパンツ、ワンピースなどもまた、ビオホテル・ジャパンを立ち上げるなど、以前からサスティナビリティな活動に取り組んでいるサーキュラーエコノミー・ジャパン代表理事でビオロジックフィロソフィ・プロデューサーの中石和良さんは、「世界中のアパレルメーカーやブランドが、サーキュラーエコノミーに移行しているなか、完全に日本メーカーやブランドが取り残されている。日本でもサーキュラーエコノミーコンセプトの浸透を加速したい」と、コメント。
中石さんの言葉からは、「急がなければならない」という強い意志が感じられました。
「こうで在りたい」と願うファッションやライフスタイルを実現する「ナラティブエコシステム」であるというビオロジックフィロソフィ。ナラティブとは、自分で紡いでいくということ。作る人と使う人がともに意志をもって紡いでいくエコシステムです。
魅力的で、長く使うことができ、地球にやさしい工程で作られているビオロジックフィロソフィのアイテム。愛着を持って着ることができ、ブランドとともに自分のライフスタイルも紡いでいきたいと感じさせてくれます。
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