「脚がパンパン」になりやすいのはなぜ?
夕方になると靴がきつい、靴下の跡が残りやすい、脚がだるくて重い感じがする……河村さんによると、これらはすべて「脚がむくんでいる」サインです。
むくみとは「体内の余分な水分が体外に排出しきれずに溜まってしまう状態」のこと。心臓から遠い位置にある脚は血流の流れが悪くなりやすく、重力の関係で水分も溜まりやすいため、身体のなかで最もむくみを起こしやすい場所なのです。
水を飲まないのはNG。脚がむくむ5つの原因
河村さんいわく、日常生活に潜む「脚がむくむ原因」は以下の5つです。
1.長時間の同じ姿勢
座りっぱなし、立ちっぱなしなど、同じ姿勢を続けるのは禁物。ふくらはぎを動かさないことで血液が心臓に戻りにくくなるため、血の巡りが悪くなり脚がむくんでしまいます。
日頃から運動不足の人は、さらに注意が必要。筋肉の減少により血の巡りが悪くなりやすくなっているからです。
2.体の冷え
足先など体の末端の冷えも、血の巡りを悪化させ体に水分を溜め込みやすくなる原因に。体の冷えは筋肉も硬くしてしまうため、さらに脚がむくみやすくなります。
3.塩分の摂り過ぎ
塩分(ナトリウム)には体に水分を溜め込みやすくする性質があり、摂りすぎると不要な水分を排出しきれなくなると河村さん。
水分の排出を助けてくれるのは、野菜、果物、きのこ、海藻などに含まれているカリウム。むくみやすいときは食材から積極的に取り入れたいですね。
4.水分不足
「むくみは体内に水分が溜まっている状態」と聞くと、むくみ予防のために水分を控えようと考える人もいるかもしれません。
しかし、河村さんによるとこれは逆効果。水分の摂取量が足りないと、脱水症状を防ぐために、水分を溜め込もうとする働きが体内で生じます。むくみを防ぐためには、適度な水分をこまめに摂ることが大切です。
5.女性ホルモンのバランス
女性の場合、ホルモンバランスの変化もむくみをもたらします。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、生理周期によってそれぞれの分泌量が異なります。中でも、プロゲステロンは体に水分を溜め込もうとする働きがあるため、排卵が終わってから生理が始まるまでの黄体期は、プロゲステロンの分泌量が多くなるためむくみやすくなります。(「Diet Plus」より引用)
生理前の脚のむくみはつらいもの。そんなときにぜひ試してほしいのが「ふくらはぎストレッチ」です。
むくみを解消してスッキリ脚に!ふくらはぎストレッチ
手順1(「Diet Plus」より) 手順2(「Diet Plus」より)手順1.左膝を立て、右膝を後ろへつき、両手を左右の横に置く。
手順2.息を吐きながらお尻を後ろへ引き、左足のつま先を上に向けキープする。ポイント
・目安は10秒×片側3回。
・キープ中はゆっくりした呼吸を繰り返しましょう。
・逆側も同様に行いましょう。(「Diet Plus」より引用)
重力で下がってきた血液を押し返すポンプのような役割から、「第2の心臓」とも呼ばれるふくらはぎ。ストレッチによって硬くなった筋肉をほぐしてあげることで、血流が良くなりむくみの解消につながります。
ストレッチと合わせて食生活の改善、こまめな水分補給を心がければ、きっとむくみにくい脚を作ることができるはず。少しでも快適な家時間を過ごすためにも、ぜひ試してみてください。
スッキリ軽やかな脚へ
代謝アップ、むくみ防止にも。鶏むね肉のソテー トマトヨーグルトソース
河村桃子(かわむら・ももこ)さん
管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。ブログ
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