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まるで、キャンバスに描いた油絵のような美しい造形を、人と自然のコラボで生み出すことができる「盆栽」。
それだけに、専門のスキルを持って取り組まなければならない特殊な鉢物といった印象がありますが、じつは、初心者でも気軽に始められる方法があるのです!
その方法とは、針金を使って枝茎の成長方向を矯正することなく、草木が自然に育つままの姿を楽しむ「ナチュラル盆栽」。
盆栽家の加藤文子さんによると、
「針金を掛けたり寄せ植えをしたりしなくても、時が経てば草木は自然にカタチをつくり、時に他の鉢から飛び込んできた異種の種が発芽するなどしながら、自然ならではの美しい姿になっていく」
とか。
自然に任せたままでステキな盆栽を育てるコツは、苗の選び方から始まります。
<ナチュラル盆栽的・苗選びのポイント>
・日照の良し悪しや気温など、育てる環境に合う性質の植物を選ぶ
・枝葉や茎の量が多く、虫食いがなく、根がしっかりした印象のものを選ぶ
・葉の色が美しく、ツヤが感じられるものを選ぶ
<購入後の注意点>
・ビニールやプラスチック製の鉢は通気性が低いので、素焼きの鉢に移す
・暖房が効いた室内で管理されていた苗を購入したら、いきなり外で育てず、
まず、暖房のない室内で様子を見ながら、徐々に外の空気に慣れさせるようにすると、弱りにくい
・水やりは、鉢の中の土が八分目くらい乾いたタイミングで、たっぷりと。
・鉢の中で根がいっぱいになったら、少し根を減らしながら植え替える
などを注意すれば、あとは、自然のチカラで育つ姿を愛でながら、その過程と造形を楽しむことができるそう。
「大切なのは、植物を思いやり、じっくり向き合うこと。そうすれば、何をすればその植物が喜んでくれるかがわかるようになるはずです。」
と加藤さん。
また、育てて数年たつと、鉢の中で根がいっぱいになって鉢から飛び出しそうになるものも出てくるのだとか。そんな時は「根洗い仕立て」という、根を土ごと取り出して皿の上で育てる方法に変えると、また違った趣になるそうです。
もし虫が入ってきたり葉のツヤが悪くなったり、気になることが出てきた場合は、加藤文子さんの著書「natural盆栽 小さなみどりの育て方」など、盆栽の育て方に関する本を見れば基本的な対応策が分かります。
水やりをするたびに感じる草木の成長、つぼみのふくらみ、自然が形づくるデザイン。
お金では買えない感動と喜びに満たされるナチュラル盆栽を、私も始めてみようと思います。
(力武亜矢)
RSSブログ情報:http://www.mylohas.net/2013/05/029713post_1882.html