「歳時記」とはふだんの暮らしに季節と宇宙の力をとりいれる方法。
内側から美しく、たおやかに、心おだやかに。
だれでもいつでも都会でもできる「季節のレッスン」、はじめましょう。

こんにちは、新連載「心うるおす暮らしの歳時記」を担当させていただくことになりました、広田千悦子です。

ロングセラーとなった「おうちで楽しむ にほんの行事」をはじめ、新刊「くらしを楽しむ七十二候」など、10年間で歳時記や季節、和についての本を15冊ほど書いてまいりました。

読者の反響をうかがってみると、「季節のことをもっと知りたい」「ふだんの生活の中での愉しみかたを知りたい」という気持ちが強く伝わってまいります。

春には桜を愛で、夏は暑気払いを愉しみ、秋には紅葉狩り、冬は行事にいそしむにほんの暮らし。仕事で忙しくて余裕がない人も、都会が好きで自然から離れた暮らしを選んだ人も、季節の気配を感じることは好きなはず。休日には、自然に恵まれた場所へと旅行にでかけたくなるのも、そういった気持ちのあらわれです。

でも、どうして私たちは、こんなにも季節のことが好きなのでしょう。あらためて考えてみると不思議なことです。

そのヒミツをどんどん紐解いていくと、「季節のうつりかわりを感じる暮らし」とは、「天体の動きによって起きる地球上の変化を感じて生きる」ということだと気付かされます。そんな、宇宙のリズムによりそう暮らしが、内側から力が満ちてくる力や、癒されるような心地よさにつながっていくのだと思います。

忙しい日々の中で、いのちの不思議さに思いを馳せることは少ないですが、夜空の美しい星々をながめるとき、小さな草花の思いがけないかわいらしさにほっと和むとき、ほほをなでる風が優しいと感じるとき、胸に浮かぶ気持ちはとても似ていると思います。豊かに生きるためのヒントやメッセージは、そんな何気ない季節の中に隠されているのです。

この連載では、いつでもニュートラルな自分にもどれる場所や、視点を育むための良い方法として、日々のなかで季節の気配や兆しを感じながら生きるための「季節のレッスン」をご紹介していきたいと思います。お楽しみに。

(広田千悦子)

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