開業は明治時代、日本に現存するホテルの中でもっとも歴史ある「日光金谷ホテル」。アメリカ人宣教師であり医者、ヘボン式ローマ字の発案者としても知られるヘボン博士の知遇を得て、ホテル創業者・金谷善一郎が自宅の一部を外国人用の民宿にしたのがはじまりです。

世界遺産にも登録されている「日光東照宮」近くの「日光金谷ホテル」。玄関には昔ながらの回転ドアが。
ホテルロビーのライティングデスク。レターセットが設置されており手紙を書くことができます。
書いた手紙は回転ドア横の赤いポストへ。

 

約10年ほど前、「乙女の部屋」という期間限定プランを監修するため重ねて足を運ぶようになってから、もっとも身近なホテルとなりました。その後も『クラシックホテル案内』という本や雑誌の取材、個人的な旅でも幾度となく訪れていますが、滞在するたび美しく甘美な時間が流れるホテルへの憧れが募ります。

140周年を迎えたことにちなんでつくられたおみやげは、140文字のTwitter用原稿用紙。
多くの作家に愛される浅草「満寿屋」製で、荷札がデザインされています。

 

ガーターベルトがデザインモチーフ、ホテルのロゴマークがあしらわれたエコバッグと、
金谷ホテルからすぐ、世界遺産のひとつ「神橋」がデザインされた手ぬぐい。

 

日光まで赴く機会のあった先週もホテルへと立ち寄り、パン、クッキー、ワイン、雑貨類が並ぶ売店でオリジナルのグッズを購入。これまでにも、トートバッグや空缶を小物いれにしたくなるクッキー缶など家に持ち帰ってきましたが、新たなグッズが増えていたので嬉しくなって、自分用やクラシックホテル好きな友達の分までも。

型染め作家・関美穂子さんによるホテルオリジナルのトランプ。日光金谷ホテルと、京都のショップ「kit」のみで販売されています。入口の回転ドア、柱の彫刻や飾り、館内で目にするホテルの日常風景が絵柄に。カードを手に、描かれた風景を求めて館内散策するのも楽しいです。もちろん旅の途中のトランプ遊びにも。

 

日光金谷ホテルだけでなく、どのクラシックホテルもたいていは、ロゴマークや古い絵葉書などのデザインがほどこされたグッズを作っており、おみやげに求めることができます。長年、愛されてきた愛らしい意匠があしたわれたものが多いため、普段の暮らしの中でもぴかりと輝く存在感を放ってくれます。

そして、ホテルグッズを目にするたび、ああまたしばらくがんばってその褒美に、ゆったりとした時間の流れるホテルへと、泊まりにいこうと活力にもなるのです。

(甲斐みのり)

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