農業大国として知られるフランスは、「農薬」大国でもあります。そんなフランスが生態系を守るため、ある思い切った決断をしました。
少しでも美味しく安全な野菜や果物を食べるためには、家庭菜園をするのも手段のひとつ。でも、せっかくオーガニック栽培が可能な家庭菜園でも、「快適」さを求めて農薬を使ってしまうこともあるものです。
家庭菜園・公園での農薬が禁止に農業大国として知られるフランスは、「農薬」大国でもあります。除草剤や殺虫剤、除菌剤は大気汚染の原因になるとも言われ、いままでも問題視されてきました。また農薬が当たり前のように使われた結果、花あるところへと飛ぶハチの生態系に悪影響があったという問題もありました。
そこでフランスは、「2022年に家庭菜園(非農業ゾーン)での農薬の使用を禁止する」と発表。国や地方自治体が管理する公園や広場の草木、造園も対象です。すでに約40%のフランスの街では「ゼロ・フィト」といって農薬の使用を禁止し、街路樹に農薬を使わないようにしています。
8年以内に実施そこで、今後家庭菜園をする人は、この8年の間にオーガニック手法を身につける必要がでてくきます。一部の人は、月や天体の動きをもとに植物を育てる「ビオダイナミック農法」で家庭菜園をしている人もいますが、それが主流となる日も遠くなさそう。
とはいえ、家庭菜園での農薬使用率は全体の5%で、あとの95%が農家によるものであるため、この法律にはあまり効果がないとの見方もあります。オーガニック志向の人が年々増える中、実際の農薬と植物、そして食の関係などをどう解決していくかが今後も課題となりそうです。
これはあくまでも他国の問題ですが、自分の国でも農薬がいたるところで使われているのは事実です。環境にも人体にも優しい自然との付き合い方を考えさせられます。
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(下野真緒)