そんな鬱々状態になったとき、立ち直らせてくれる言葉がありました。それは精神科医デヴィッド・R・ホーキンズ博士の著書『<わたし> ―真実と主観性』からの、こんな一文です。
わたしたちは時間というコンテクストの中で、その時の弱さや強さに応じてできるかぎり妥当な行動をとっています。
(『<わたし> ―真実と主観性』P255より引用)
「後悔するような出来事も、その時の自分にとっては精一杯の行動だったのだから許してあげようよ」そう励ましてくれてるようで、こころが癒されます。
「あんなことはしない」は冷静になったからこそそれでも後になって「今なら絶対にあんなことしないのに」と思うこともあります。それはどういうことなのでしょう。博士はこのように述べています。
もし自己が「わたしは絶望的だ」と思えば、「わたしは安全だ」と思っているときとは、まったく異なった行動をするでしょう。
(同書P255より引用)
つまり「今なら絶対にあんなことしない」と思うときは、安全な状況で冷静になれたからこそ、そう思えるだけだということです。
後悔や罪悪感を予防する余裕のこころダライ・ラマ14世は以前、講演でこのようなことを言っていました。「常に心がけているのは余裕を持つということです。時間であれ何であれ、余裕をもたなければなりません」
たしかに余裕がないときは気が焦ってしまい、つい絶望的な心境になりがちです。後悔するような行動をとってしまったときというのは、そんなときだったのかもしれません。
つまり後悔や罪悪感にさいなまれる出来事は余裕がないときに起こり、それでもその時の自分にとってはできるかぎり妥当な行動をしたということです。
わたしたちは、その瞬間瞬間でできるかぎり頑張って生きている。だから自分を責めても仕方がない。これからは後悔することにならないように、深呼吸しながら気持ちに余裕をもつことをこころがけたいと思います。
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