映画になり、よく知られている「ブラッド・ダイヤモンド」または「紛争ダイヤ」は、アフリカの紛争地域で産出され、紛争の資金源になっているダイヤモンドです。紛争ダイヤを使用していない「紛争フリーダイヤ」をうたうジュエリーブランドも最近よく見かけます。
ダイヤだけじゃなかった「紛争鉱物」ダイヤモンド以外にも、コンゴ共和国またはその周辺国で採掘される金、鉄マンガン重石、タングステンなどは「紛争鉱物」または「コンフリクト・ミネラル」と呼ばれ、紛争の資金源になっています。それらの鉱物は、パソコン、携帯電話、電化製品、台所用品など、私たちが日常使用するさまざまな製品に使われています。
紛争資金源を絶つため、アメリカ政府はアメリカの企業に対し、紛争鉱物の使用について報告義務を課しはじめました。
NO 紛争鉱物! アメリカの取り組み具体的には、アメリカの上場企業で、対象鉱物を製品の生産に必要とする企業は、鉱物の原産国調査を行い、鉱物がコンゴ、またはその周辺地域で産出されたと判明した場合、またはその可能性がある場合、鉱物の起源、加工、過程に関する調査を行い、報告書を提出する必要がある、というもの。
企業によっては、CSR(社会的責任)の一環として「紛争鉱物は使用しない」と掲げているところも多くみかけます。まだ新しい規制で、完全に内容は固まっていないようですし、商品に使われる鉱物の起源を調査するのはなかなか難しく、多くの企業が苦労しているようですが、この規制により、製品の透明性が示されるので、消費者である私たちも注目したいところです。
日本でも紛争鉱物への取り組みに力を入れている企業が増えており、今後、この動きは世界中に広まっていくのではないかと思います。
[経済産業省, The Guardian,Toronto Sustainability]
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