オリジナルの絵本やさまざまな物語に挿絵を描いた彼女は、23歳で結婚。30歳の時に二ューハンプシャーの田舎に越し、農場暮らしをスタートさせます。2男2女、合計4人の子供に恵まれるものの、43歳で離婚。そして、56歳のときさらに田舎となるバーモンド州の山の中でひとり暮らしを始めます。
その場所に多くの花を植え、動物を飼い、理想の田園生活を送っていたターシャ。彼女が自分ひとりで作り上げた庭は世界中のガーデナーが憧れるほど。自然とともに生きることの大切さを教えてくれます。
生涯持っておきたい美しい本ターシャ・テューダーが絵と文を書いた『ターシャの農場の12カ月』は、若い母親ターシャが夫と4人の子供と暮らした農場の12カ月を追ったもの。冬には雪遊び、夏にはピクニック、ハロウィンにクリスマス......。農場暮らしの1年間を通して、季節の移り変わりや感情の変化をターシャの素朴で繊細なタッチで描かれています。
日本にも四季があり、当たり前のように季節ごとに空気や音色が違うのに、日々の忙しさのせいで、ついおざなりになりがち。しかし、「ターシャの農場の12カ月」を読むと、空の色や木々の彩りの変化などが、あまりに生き生きとしているので、「あれ、こんなに美しかった?」と気づかされます。
ターシャの人生と重ね合わせてそんな誰もが羨むような暮らしをしていたターシャですが、『ターシャの農場の12カ月』を発表した1年後に夫がこの農場を去ることになります。不安を抱えながらも、本の執筆をし、いまある暮らしと向き合っていた彼女の姿を思いながら読み進めると、また違った見方ができるかもしれません。
ちなみに、『ターシャの農場の12カ月』のなかで、"5月には あふれる よろこび。"と描かれています。みなさんは、この季節、溢れる喜びを感じていますか?
著者:ターシャ・テューダー
出版社:KADOKAWAメディアファクトリー
価格:1404円(税込)