被害に直接遭わなかった人たちも、支援で関わる機会が増えています。ところが支援は時に、提供側の一方的な親切の押し付けにより、被災地の足でまといになることも。
そこで、国際NGOであり東日本大震災の際にはいち早く支援を開始した公益財団法人プラン・ジャパンさんの無料冊子「被災者の心を支えるために」を参考に、今いちど支援の心得を確認しておきたいと思います。
現地の支援では、心を支えることが大切心を支えるのは専門家だけのものではありません。支援をする誰もが、ちょっとした気配りで被災した方々の気持ちを癒したり、元気にしたりすることができるのです。
支援で一番大切なのは「安全、尊厳、権利を尊重する」ということです。
安全、尊厳、権利を尊重する
安全=支援者の行動が被災者をさらに傷つけないようにする
尊厳=その地域の文化や習慣に基づいて行動する
権利=誰もが平等に、最善の利益が得られる権利を守るお手伝いをする
つまり、自分が何を手伝いたいかではなく、相手が一番して欲しいことは何かを常に考える必要があるということです。
被災者と良好なコミュニケーションをとる被災者はひどく動揺したり、混乱したりしています。災害で起きた出来事について責任を感じている人もいます。支援者が相手に理解を示し、誠実に応対することが大切です。
コミュニケーションを取りたいがために被災体験を無理に話させてはいけません。話したいタイミングに、いつでも話せるような雰囲気を作っておきながら、それまでは生活支援に徹し、沈黙を保つのも親切です。
自分自身の健康に気をつける責任のある支援を行ううえで、自分自身が健康であることがとても大事です。支援中に二次災害などで自分自身も被害にあったり、体調を崩してしまっては元も子もありません。
また、自身の心が健やかでなければ、誰かを気遣う余裕も生まれにくくなります。チームで行動する時は、仲間のようすにも気を配るとよいと思います。
いてもたってもいられずに被災地へボランティアに向かう・・・。そのアクションが少しでも多くの人々の助けになるためにも、出掛ける前に心得ておきたいと思います。
[被災者の心を支えるために , 公益財団法人プラン・ジャパン]
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