食事とは、五感をフルに使って楽しむものとよく言われます。例えばユネスコの無形文化遺産に登録された「Washoku」。ヘルシーなだけでなく繊細で芸術的な見た目と、うまみを生かした味わいは、世界に誇れる日本の宝です。そして料理では「見た目」の色あざやかさが実は栄養価の高さ・バランスをも暗黙に示しているということがわかったのです。
カラーのバリエーションは豊富なほうがいいリンゴ、梨、パイナップルやみかん、ベリー類、キウイ。カラフルなフルーツは見るだけで私たち女性をハッピーにしてくれます。このようにカラーのバリエーションが豊富であればあるほど体にも良いバランスのとれた食事法、いわゆる「カラフル・ダイエット(ダイエット=食事法)」になるのだそう。
ベストセラー『What color is your Diet?』の著者でもあり、アメリカ・カリフォルニア大学の人類栄養センターで働くデイビット・へーバー氏はこう説明しています。
オーガニック食品は抗酸化作用が約30%強いフルーツや野菜に含まれるファイトケミカル(抗酸化物質)とはひと口に言っても、食品のカラーに含まれるファイトケミカルにはそれぞれ、違った役割と効果があるのです
(『What color is your Diet?』より翻訳引用)
その色が濃ければ濃いほど、ファイトケミカルの含まれる量が多いことを示しているのだそう。さらにオーガニックの食品は、普通のものに比べて抗酸化作用が30%ほど強いこともわかったといいます。
オーガニックのフルーツ・野菜は病気、外的な環境ストレスから自分の身を守るため、自分の力である特定のファイトケミカルを作り出し、闘わなくてはならないからです
(『What color is your Diet?』より翻訳引用)
さらに、オレゴンのトロイオーガニックセンター、センター長のチャック・ベンブルーク氏によると、これら野菜やフルーツのもつ抗酸化作用は人間の血液に入って12~24時間以内にはなくなってしまうのだそう。だからこそ、野菜やフルーツを毎日、できるだけ1日の中で均等に振り分けてとることがアンチエイジングには効果的だと説明しています。
このように、食品の色素と抗酸化物質は非常に深い関係を持っていることがわかりました。まずカロリーや細かい栄養素を考える前に、日々の食事を彩りのあるものにすること。旬の食材をメインにして、足りない色を組み合わせていくことで、見た目も美しく、体にも優しい食事をとることができそうです。
[Nutrition Action, What color is your Diet?]
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