フランス北部のリール近郊にある「a la ferme du Star(ア ラ フェルム ドゥ スター)」です。
このスーパーは、フランス初のファーム型スーパーマーケットとして今年の初夏に誕生して以来、フランスでは話題を呼んでいます。
1,100平方メートルもの広さの店内で扱う野菜や肉などの50%は、近所の個人農家から買い付けたものなので、運送代などもほとんどかかりません。そのため、より安くフレッシュな食材が店頭に並んでいます。また、地元の個人農家にとっても経済が活性化されるので、農家にも買物客にもメリットのあるスーパーマーケットといえるでしょう。
商品の展開方法にも注目が集まっており、商品のひとつひとつには、生産者の顔や連絡先が分かるタグが貼られ、顧客は、安く新鮮で安心なものが買えると大満足。また生産者には、顧客の声が直接メールで届くこともあり、それを商品に反映できるのだといいます。
さらに、料理のアトリエも併設されていて、新鮮な野菜を使ったレシピを直接紹介してくれたりと、何ともユニーク。店員達はアドバイザーの名札を胸に付けて新鮮な商品を紹介してくれ、スピードを競って機械化されたスーパーとはまた違った、人間味のある新しい買物のかたちが実現しているのです。
また、スーパーの周りには、山羊、鴨、うさぎなど動物が囲いの中に放され、子ども達が動物と触れ合い、野菜や果物を収穫できるイベントまでも用意されており、子どもに食育を伝える貴重な機会を提供してくれています。
フランスでは、新鮮な果物や野菜、肉やチーズが買えるマルシェが午前中にたちますが、時間があれば家が遠くてもわざわざ車でマルシェにくるほど、スーパーのものよりはマルシェという人がほとんど。
さらに、マルシェのものよりは自家栽培、自家栽培ができなければ近隣農家から直接、という買物スタイルにこだわりがあり、第一に新鮮な食材を好みます。そんなフランス人にとって、「a la ferme du Star」は欲しいものを全て凝縮してあるスーパーとして、生活に欠かせない場となっているようです。
こんなスーパーマーケット、近所に是非とも欲しいものです!
a la ferme du Star
1 Rue Louis Constant
59491 Villeneuve-d'Ascq FRANCE
+33 3 20 75 94 10
text by下野真緒(Mao FRANKIEWICZ SHIMONO)
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南仏在住ジャーナリスト/エディター。東京都出身。慶応義塾大学法学部政治学科卒。女性ファッション誌編集部を経てフリーランスエディターに。パリ・南仏へ留学後、フランス南西部に移住。パリ発webmagazine・chocolatmagにて連載コラム「南仏新婚journal」、GLAM/GLAM MOMSサイトで「南フランスのいい予感。」、ELLE mamanなどにて執筆中。フランス人のライフスタイルほか、社会問題、時事ネタにも関心深い。
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