日本人はとかく人に任せることに抵抗を感じ、自分ひとりでなんとかしようとする傾向があります。でも、代官山で僧侶と話せるカフェ「寺カフェ」を運営する信行寺の淺野弘毅ご住職によると、誰かにSOSを出すことは、けっして悪いことではないそうです。
そもそも人間はみな弱く、ひとつも悪いことをせずに生涯を全うする人などいません。浄土真宗を開いた親鸞上人でさえ、完璧な人にはなれなかったのです。完璧な人になろうとすれば、必要以上に自分を着飾ったり、人を恨んだり、横道にそれたりします。皆さんも本当の自分は弱いんだと思うと、心が少しラクになりませんか?
と淺野ご住職はおっしゃいます。
他力本願は、いまの世を生きる私たちへの救いの言葉ご住職によると、仏様は完璧な善人でなくとも幸せになっていいと考え、すべての人々を幸せにするための誓い(本願)をたて、「どうぞ信じて私に委ねてください」とおっしゃったそうなのです。
仏様なんて目に見えない存在、なかなか信用できませんよね。ですが、人間は完璧ではなく、弱い生き物であることだけは真実。出来ないことは出来ないと認めて、人々の幸せを守ることを誓った仏様にただただ救いを求める。そうしていると、『私には仏様がついている』 と思えて、生きていきやすくなりますよ。
つまり、他力本願の他力とは「仏様」のことを指し、その仏様の「本願」に頼ることが「他力本願」の本当の意味であり、その救いを求める方法こそ、皆さんがよく知っている「南無阿弥陀仏」などの念仏を唱えることなのです。
お話を聞いていたら、自然と涙がこぼれました。自分なりに一生懸命生きていれば、どこかで誰かが必ず見ていてくれる。いざという時には味方がいる。そう思えるだけで、肩の力を抜いて生きていける感じがします。寺カフェでは、僧侶にお悩み相談ができる日時を設けているそうです。気になる人はホームページをチェックしてみてください。
[寺カフェ]
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