張り切って観光するのではなく、その町に住んでいるかのように過ごすことを提案する旅に出てみました。
新しいタイプの温泉旅行今回訪れたのは、山形県の肘折温泉。山形空港から予約の観光ライナーが出ているので、東京からは2時間半で到着。1200年以上の歴史を持つこちらの温泉は、老僧が骨折した肘を治すために滞在した伝説から癒しの地として知られています。
温泉旅行というと温泉付きの宿に滞在したり、最寄の温泉に訪れるものが一般的。でも今回参加したプログラム「七治里(ちちり)プロジェクト」では日帰り温泉施設や共同浴場、さらに20軒ある宿の温泉にも別料金(1回100円~)を支払えば楽しむことができます。
宿ごとの温泉も金魚がいたり、洞窟の奥にあったりと、そのスタイルは多彩。温泉の効能もさまざまなので自分好みのものを探すのも楽しいです。
七治里とは、湯治の最適期間「七日一廻り」という「七」と、七つの治る要素が存在する里という意味が込められています」。もちろん、理想的なのは7日間の滞在ですが、1泊2日での参加もOK。
近くのパワースポット散策もさらに週に2回、旅館の主人たちが回り持ちでもてなす「村人夜会」が催され、村人の方とざっくばらんにお話もできます。美味しいお惣菜をおつまみに、地元にある東北で一番古い小屋酒造の普段出会えない日本酒を飲めば、気分はすっかり地元民。
お天気が良ければ、ちょっと足を伸ばしてパワースポットといわれる地蔵倉へ。切り立った崖のお堂にお参りしたら、誰も通していない岩の穴を見つけ、5円玉をつり下げて。しばらく落ちなければ「ご縁が結ばれる」ご利益が3ヶ月ぐらいあとにやってくるとか。
これからの季節、おすすめは7月25日から9月13日に開催されるたアートプロジェクト「ひじおりの灯」。肘折の文化や人をモチーフにアーティストが描いた灯篭が30基飾られ、街を彩るようすはとても幻想的だそうです。
お湯も人も温かい町でほっこり癒され、第二の故郷に出会えたような気がしています。
[肘折温泉]