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秋は、アートなお出かけがしたくなる季節ですね。数多くの展覧会が開催されるなか、現在、もっとも注目を集めているのが江戸川橋の永青文庫で開催中の「春画展」ではないでしょうか。日本の春画は海外で評価がとても高く、2013年から2014年にかけて大英博物館で展覧会が開催され、大きな話題となりました。今回のこの「春画展」は、じつは日本では初の展覧会。浮世絵愛好家でなくても注目です。
浮世絵の大家の作品が一堂に 喜多川歌麿「ねがひの糸口」(部分)
長く上層の人々だけのものだった春画ですが、江戸時代には浮世絵版画で活躍した多くの絵師が春画にも腕を振るうようになりました。今回の展覧会でも菱川師宣、鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎ら浮世絵の大家が手がけた版画・版本を見ることができるので、これは見逃せません。また、江戸時代、春画は非合法の出版物でしたが、そのため作品には贅をこらしたものが多く、絵とともに彫りや摺りが織りなす版画の粋も見どころです。
野沢提雨筆「秘戯図巻」 (部分)
ちなみに、春画のはじまりは平安時代とも言われ、もともとは肉筆で描かれていました。現存する春画で古いものは、鎌倉時代に制作されたものが知られています。「春画展」では肉筆の作品も展示されるので、春画の歴史だけでなく、浮世絵の歴史全体を眺めることができる点でも興味深い展示ですね。
会期中は展示作品が入れ替わるので、興味がある人はぜひ数回にわけて足を運んでみるといいと思います。
江戸時代に「笑い絵」と呼ばれていた春画は、性描写と笑いが同居したユーモラスで芸術性の高い浮世絵。そこには、現代の日本の漫画文化にも通じる創造性や芸術性があるように思えます。外国の方々だけがその魅力を堪能されるのでは、もったいないですね!
「春画展」
期間:2015年9月19日~12月23日(前期 9月19日~11月1日、後期 11月3日~12月23日)
時間:9時30分~20時(入館は19時30分まで)、日曜日は9時30分~18時(入館は17:30まで)
※毎週月曜休館(祝休日の場合は開館)
場所:永青文庫(東京都文京区目白台1‐1‐1)
[春画展]
RSSブログ情報:http://www.mylohas.net/2015/10/049476shunga.html