人間関係は基本的にギブ・アンド・テイクの法則に基づいています。他人と関わるのは、相手が何らかの形でこちらに利益をもたらしてくれるからです。 そうでなかったら、誰だって自分のことしか考えないでしょう。つまり、健全な人間関係はお互いにとって有益で得るものが多いということです。
人間関係の問題は、相手が期待どおりにならないときに発生します
良い人間関係を作るためには、相手に期待しすぎてはいけません。受け取るよりも与えるほうが多いくらいの気持ちでいてください。そうすると、相手にとって 自分の価値が高まります。また、相手に期待しすぎなければ、失望することもずっと少なくなります。これはなかなか難しいとは思いますが、大きなメリットが 得られます。それは、人間関係の劇的な変化です。
道で知らない人からお願いごとをされたら、どのように反応しますか? 私はホームレスには同情的で、たびたび食事をおごってあげていますが、お金を欲しがられると警戒心を抱いてしまいます。相手に何も与えないのに何かを欲しがる人がいると、その真意をつかみかねて警戒心を抱くのが人間の摂理というも のです。
私はポートランドに住んでいますが、ここには「冗談を25セントで売っている」ホームレスの男性がいました。人々は彼を受け入れていました。彼は多くを求めなかっただけでなく、お返しをしてくれていたからです。彼は、普通のホームレスよりずっと好ましいギブ・アンド・テイクのシナリオを作りました。 私は冗談を買いましたが、残念ながらそれはあまり品の良い冗談ではありませんでした。でも、ひとまずそれは置いておきましょう。
寛大な心は人から人へと伝染するものです
ポートランドには、安くて簡単な食事を提供するフードカートが何百台もありました。それにはチップを入れる壺がついていたのですが、誰かがチップを入れるのを見ると、自分もチップを入れたくなるのに気が付きました。私たちは周りからとても影響を受けやすく、特に親切な行動は他者に強い影響を与えるようです。それは体験談から言っているわけではありません。寛大な心は人から人へと広がりやすいことを示す研究結果があります。
誰かに親切にすると、相手は頼まれなくても厚意を自然に返したくなるものです。私はフードカートの1つで定期的に食事をしていましたが、そのフード カートを営業している男性は、時々無料でミントティーを振る舞ってくれました。そして、私はたびたび彼にチップをあげました。義務を感じているからではなく、そうしたいからしていたのです。健全な人間関係は義務感でなく、他者の幸福を願う気持ちから生まれるのです。
相手に何かを与えるということは、やたらとプレゼントをすることではありません。人間関係はもっと複雑なものを必要とします。一緒に時間を過ごすこ とだったり、相手を褒めることだったり、電話することだったり、興味深く相手の話を聞くことだったり、引っ越しの手伝いをしたり、そのほか、さまざまな形で手助けすることだったりします。私たちは、頼まれるのを待たず積極的に相手を助ける方法を探しましょう。
試しに1週間、誰かに親切にしてみてください。それが相手にどのような影響を与えるか見てみましょう。きっと嬉しい驚きがあるでしょう。
One Simple Way to Improve Any Relationship|Pick The Brain
image via Shutterstock
Stephen Guise (原文/訳:春野ユリ)