子供の目線は大人より低く、そして好奇心旺盛なので、ちょっとした面白いものを見つけるのがとても上手です。そして娘にとって、裏庭に勝手に生えた草花も花屋に売っているものも違いは全くなくて、同じように素敵なものだというのが、いいなぁと毎回しみじみ思います。彼女といると、雑草という草はない、という言葉をよく思い出します。
私も昔から、コンクリートの間から顔を出してたくましく咲いているスミレなどを見つけるのが好きなので、ふたりで観察をしだすと、一歩一歩がとても遅く、つい日が暮れるまで過ごしてしまいそうになります。
ところで、ニューヨークの道端に咲いている草花は日本のものと結構似ているものも多くて、イヌタデやタンポポ、ツユクサ、ヨモギなどは、どこにでも生えています。ツユクサを見るとなぜか日本がとても恋しくなってしまうのはどうしてでしょう。
覚えてはいないけれども、子どもの頃に通っていた近所の空き地に、きっとたくさん咲いていたりしたのかもしれません。ペンペングサ(ナズナ)やヒメジオンなど、日本では空き地にボウボウと生えている雑草も、ニューヨークでは見かけないので恋しくなる草です。
そんな、雑草むしりをしてもどんどん生えてくるような普段厄介者扱いにされがちの草花ですが、花の蕾や実などを2人でじっくり見つめたり、茎の形が面白そうなものを選んで家に持ち帰って生けると、売っている花にはない可憐さがあっていいなぁと思います。
近所のアンティーク屋で見つけた古いビールやヴァセリンなどの小瓶に、娘は迷わずどんどん花を生けていきます。最初は青かった小さな実が数日後には赤く色付いてきたりして、家の中に小さな自然が生まれたよう......。
今回面白かったのはドングリで、ちょうど地面に落ちる季節なので娘は沢山拾いましたが、リスの餌でもあるので、立派なものだけ少し選び、家に持ち帰ってから一晩水に浸してみたところ、翌日にはもう芽をだしたので驚きました。
ちょうど秋蒔き用の土を買ってあったので、小さなポットに1個づつ蒔いて(植えて?)みました。
ドングリや娘のお気に入りのオジギソウ、これから寒くなるというのに、こぼれ種で芽をだした朝顔など、今、家の中にはどんな風に成長するのか分からない植物がたくさんで、とても楽しみです。