近所の友だちにも、わが家と同じく赤ちゃんがいる。それも、3人兄弟の末っ子というシチュエーションまでいっしょ。

赤ちゃん同士をご対面させると、反応がとても面白い。やけに神妙な顔つきでお互いを探っている(ように見える)。そのうち双方の髪や耳、腕、手をくいくいっと引っ張る。やりすぎるともちろんどちらかが泣いて「あらあら」と泣いた方のお母さんが抱っこするまで泣きは続く。泣き止むと、今度は頬っぺたをペタペタと触る。くいっと手を引っ張って、パクッと指にくいつく。

赤ちゃんひとりでも癒しなのに、ふたりいるとたまらない。この、もぞもぞ動く、芋虫みたいな生物に囲まれていると、なんだかほんわかふわふわした気持ちになってきて、気がつくと、何時間も経っていたりするから恐ろしい。

この生き物にコスプレさせるのは、兄妹たち。妖精のカチューシャをつけてみたり、紙のお椀をかぶせてみたり、つわぶきの葉をのっけてみたり。そんなことをされているとはつゆ知らず、赤ん坊はご機嫌で床を這いつくばる。何をしても「かわいい」と愛玩の対象になっている。

今日なんかは、ぎゃんぎゃん泣いているのに関わらず、お兄ちゃんは赤ん坊を「一度やってみたかった」と、ポニーに乗せた。赤ん坊が落ちないように、4人もお供をつけて。あら不思議! 数歩進んだところで、ぴっと泣き止んだ。お供の子どもたちは「ふう」と肩を撫で下ろす。「たのしいんだね」「きっと、馬に乗るの好きなんだ」と言いながら、ポニーは進む。

赤ちゃんの国。

赤ん坊はまだ言葉は話さないけれど、すっかりこの国のお姫さまだ。

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