テクノロジーとエコロジー
中学に入った息子が、先週理科の授業で制作した「未来の町」は、ハイテクタウンというよりは、ソーラーパネルや風車、水車が勢ぞろいした「エコヴィレージ」に近いものでした。来月30日からパリで開催予定のCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)を前に、子供たちの頭の中でも、未来と絡んで「エネルギー問題」が大きな位置を占めているようです。実際、自然エネルギーをいかに効率よく利用するかは、スマートシティを考える際のネックでもあります。
© COLAS - Joachim Bertrand
そんな中、今月13日、フランスColas社が発表したソーラー・ロード「Wattway」は、まさしく未来の町の救世主となりえるもので、注目を集めています。
世界初のソーラーロード
いうなれば、道路がそのままソーラーパネルの機能を果たすのです。悪天候にも、車の走行にもびくともしない丈夫さは、既存のソーラーパネルとは比べ物にならない頼もしさ。5年かけて開発されたWattwayは、薄い敷石のような形で、簡単に道路上に貼ることができます。同社によれば、道路1キロメートルをWattwayで覆うだけで、5,000人規模の町の街灯に必要な電気エネルギーがまかなえる計算だそうです。また、20平方メートルのWattwayで、一軒の家に必要な電気(暖房以外)を供給できる見込みということ。
© CEA_P.Avavian
〈Wattwayの上を歩く仏オランド大統領〉
すでにフランス国内三か所でテストされ、その実力は保証済みです。同社ではできるだけ早い商品化を目指し、ただいま手続き中とのこと。世界のエネルギー供給の常識を変えるかもしれないこの技術。未来に希望が見えるようなニュースで、嬉しくなりました。
© COLAS - Nomen - Arizona
今の小学生が中学生になる頃には、未来の町には、ソーラーロードが敷いてあるのが常識となっているでしょうし、もしかしたら、それより早く、フランスが、スマートシティを通り越してスマートカントリーに生まれ変わる日も近いのかもしれない、などと夢想しています。
[Wattway de Colas,Industrie & Technologies]