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私は今年36歳になりました。

何もしなければ、髪の毛はほとんど100%が白髪です。

白髪が出はじめたのは小学3年生のとき、8歳になったころ。きっかけは覚えていませんが、もともと人見知りでなかなか友達も出できないまま、初めてクラス替えがあり、仲のよかった子と違うクラスになってしまったストレスだったのかもしれないと今では思っています。

自分では気付かなかったのですが、学校でノートに落書きをしていたとき、近くの席の男の子が「あ、お前、白髪があるぞ!」と言ってきたのが最初でした。

キラキラしているのが目立ったようで、ブチっと何も言わずに抜かれて痛かったのを覚えています。

そのときわたしは、ほかにも白髪があるのではないかと心配になりました。

家に帰ってすぐ、毛を抜かれたあたりを鏡で見てみましたが、ほかに白髪はなくひと安心。

でも、おやつを食べているとき、母親に「あれ?」と言われ、見ると数本の白髪が……。

私の白髪は固まって生えていたわけではなく、あちこちに点在していたので自分ではわかりにくかったのです。

母親はあまり大きくとらえず、わかめなどの海藻類を食べればすぐに戻ると言って、いろいろな料理を作ってくれました。

でも、効果は得られず私の髪の毛は徐々に白くなっていきました。

「ババア」と呼ばれいじめられ……


小学校を卒業するころには、私の髪の毛は30%くらい白髪だったと思います。

もちろん、私自身はとても嫌だったのですが、髪の毛を染めるのはいけないことだと言われていたので我慢していました。たまに、姉が黒い油性のマジックで白髪を塗ってくれることがありましたが……。

最初のころはからかわれていましたが、先生が他の子に言ったのか、母親から周りの子供に注意がいっていたのか、いじめられるようなことはありませんでした。

でも、中学に入学すると環境は一変します。

入学初日からクラスの人に白髪をからかわれ「ババア」というあだ名までつけられてしまいました。

それから、毎日毎日白髪のことを言われます。男子だけでなく女子までも。

私のことを名前で呼ぶ人は先生のみで、他の人はみんな「ババア」と呼んでいました。

スカートの裾が触れただけでも「白髪がうつる」と言われ、体育の授業で組になるときは仕方なく組んでくれましたが、組んだあとは必ず「自分も白髪になってしまう!」と叫ばれました。

それが辛くて、私は毎日家に帰って泣いていました。しかも、小学校で仲のよかった友達までも中学に入ってから「ババア」といじめてきたんです。

私が何かをしたわけではありません。ただどういうわけか白髪になってしまったのです。

そのことをからかわれてもどうしたらいいのかわかりません。

毎日毎日泣いている私に姉が髪を染めようと提案してきました。

でも私には、髪の毛を染めることでいじめられなくなるとは思えませんでした。なぜなら、染めたことで「校則違反だ」とまたいじめられると思ったからです。

姉には自分の思っていることを伝え、今まで通り時間のあるときに少しマジックで髪を塗ってもらうことにしました。

今思えば姉はよく付き合ってくれたと思います。

よっぽど私が気の毒に思えたのかもしれません。

美容院でも肩身の狭い思いを……


中学1年生のときに姉に連れられて美容院に行きました。白髪を染めるためではなく、カットするためです。

それまで親に髪を切ってもらっていたわたしにとっては初の美容院でした。

美容師さんならたくさんの人の髪の毛を見ているから、どうしたら白髪が無くなるとかアドバイスがもらえるかもしれないと淡い思いを抱いていました。

でも実際のところ、美容師さんは、私の髪の毛を見るなりとても驚いたような顔をしていました。私はもうその瞬間、その場から逃げ出したかったです。

しかもカットしながら、白髪のことをいろいろ聞いてきました。いつからこうなったのかを聞かれたので、私はもしかしたらアドバイスしてもらえるのかもしれないと思って、正直に「8歳から…」と答えました。

すると「へえ、そうなんだ~」と話が止まってしまったのです。あれ?おかしいなと思って、私から勇気を出して聞いてみました。

「どうしたら治りますかね?」

すると返ってきた言葉は「う~ん、わかめとか? 白髪染めする?」というもの。

私は本当にショックでした。そんな言葉アドバイスにはなりません。

恥ずかしくて恥ずかしくて、黙ったまま時間は過ぎていきました。

次から次へとくるお客さんにも好奇の目で見られているような気がして肩身が狭かったです。

会計のときにも笑われているような気がして、もう二度と来るものかと思いました。

そんななか、わたしは中学1年の3学期から、ほとんど学校に行かなくなったんです。

あだ名は「ババア」。8歳から白髪に悩まされた私の30年[体験談](2)に続きます。

written by charzaku

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