ニコナナ内で活躍中のライター・タレント陣が徒然と日常を語ったり、闘牛のように暴れ狂ったりと何が起こるかわからない、それぞれコラムがスタート!
今週は「チェロスカーニバル」や「1億総ライバル化計画」に出演中の貴方野チェロス。
【貴方野チェロスtwitter】
https://twitter.com/cheross_anatano
『アストロロボSASA』や『ルナーボール』を、発売日に買う小学生だった…。そして、『スーパーマリオブラザーズ』は最後まで持っていなかったオレは、パチンコやパチスロの好みも総じてマイナー系に寄りがちだ。導入前からパチンコ雑誌で大きく取り上げられるような機種や、ホールへ大量導入されるような機種には食指をソソられない傾向にあるんだよね。なんかこう、生まれた時から「右へならえ」がゲー吐くほど嫌いっつーの? みんなと同じ踊りをすんのが、とにかくずーっとイヤでイヤで仕方なかったんだわ。とはいえ、それは決してムリしてあまのじゃくなヤカラを気取ってたわけじゃなくてね。オレは、まだ世の中がイイと気付いていない素晴らしいモノを、世間一般の感覚よりふた足ぐらい早く察知して、みんなへ紹介することに得も言われぬ快感を得る習性があるんだろうな。ただね、基本的にはイイもんって、みんなもイイと気付きがちだからさ。その方程式にビチーッとハマることって、そんなしょっちゅうはないんだよ。だからこそ、心から『素晴らしい』と思える埋もれた才能を発見した時には、未開の島からお宝を発見したような喜びが湧き上がるんだと思う。おそらくオレの天職は、レコード会社か何かの新人発掘担当者かもしれんな…?
そんなタイプのチェロスなわけだが、世間から高く評価されてるメジャーなモノにのちのち触れてみると、後になって「やっぱエエやんけ」と感心させられることも非常に多い。日頃からなんだかんだ小難しいことを考えていても、素直にイイもんはイイのだ。『ミスチル』も、『冬のソナタ』も、『愛は勝つ』も、最初はちょっとバカにして斜めから見てたけど、いざ正面から向き合ってみたらやっぱ最高によくできてんのよ。パチンコやパチスロだって、そう! そこで今回は、オレが後になって気付いた『やっぱええマシン』を3機種ほどご紹介したいと思う。みんなからすりゃ「何を今さら…」って話かもしれんが、ここから人生がひらける何らかの発見もあるかもしれんから!! ないかもしれんけどねッ!!
【やっぱええその1】
Re:ゼロから始める異世界生活
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
(C)DAITO GIKEN,INC.
いわゆる『リゼロ』なわけだが、ホールにこんだけ大量導入されたうえ、友人など各方面から高い評価が聞こえてくると、このまま触らずに生き続けていくのは今後、ライターとしちゃムリが生じると感じていた。てなわけで、2020年の2月末に初めて打ってみたんすよ。この日は、実戦記事を作成するべくガッツリ打たざるを得ないって事情もあり、途中でイヤになってもカンタンには逃げだせない状況でね。リゼロの全貌を把握するにはもってこいだったわけ。
クソタワケのようにハマり倒すこともあるって聞いてたから、ハラハラしながら打ち出したんだけど、初手からかなり面白くてね! オレってもともと、通常時からポイント稼ぎつつチャンス待つ系のゲーム性が好きなのよ。『エヴァンゲリヲンAT777』とか『パチスロ北斗の拳 転生の章』とかさ。ボーナスにありつく前から、ポイントが大きく稼げた時なんかに「おっしゃああああ!!」て思えるじゃん? それがたとえコインは1枚も増えない、錯覚の喜びであったとしてもね…。ウソでもいいんだよ! 喜ばせてくれりゃあ!!(異性に対しても基本そんな感じ)
で、おびえながら挑んだ初めての白鯨戦で、見事3匹撃破してね! ATに一発入りゃあ、かなりコイン増えるのね!? AT1ゲームあたり純増8枚の勢いは、やっぱ人類を酔わせるやん!! 4号機時代からしばらく忘れていたあの感触に、脳が「キ、キモティイイです…」と嗚咽。AT中にボーナスを引き、ウマイことATゲーム数を上乗せする楽しみもあり、ヤメたくないにも程があって困ってしまったのだ。実戦の同行人は、「これだと設定は低いかもなので、AT終了時の演出を確認してヤメるべきです!」とかズバーッと言うてくるしさ。でもね、オレやったよ。2周目にも挑んだ。もう1回ATブチ込むまで、戦い抜くことを決意したのさ。そしてここから先の展開は、黙秘させてください…………。
【やっぱええその2】
ぱちんこCR真・北斗無双
(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証KOJ-111 (C)2010-2013 コーエーテクモゲームス
(C)Sammy
初めて打った時は、通常時のゲーム性にしばらく触れたあげく「クソしょうもない!!」と吐き捨てた。絶対、コイツは人気が出ないと確信した。ムダな煽りに裏切られ、過度な演出にイラつかされ、当たるか否かが最終段階の前にほぼ予測できてしまう演出バランスにうんざりした。だってデジパチって、いつもバラバラな図柄が3つ揃う瞬間が気持ちイイわけでしょ? だから、最終段階でボタン押して、役モノバゴーンで当たるイマドキの台の傾向も、正直どうかとオレとしちゃ思ってたわけ。それに加えこの台の場合、最後のバゴーンまでもかなりの精度で予測できちゃうと来た日にゃ、大当りの衝撃と快感が薄れちまうやんけ、と! 人をダメにする中毒性もっとよこせよや、と! オレなんかは、有権者に訴えたくなったわけよ!!
ただあの時代に、ここまで打ち手に甘い奇跡のスペックをホールへもたらしてくれた功績は、とてつもなくデカいとも思っていた。だから、ゲーム性には中指立てながらも、『真・北斗無双』というパチンコ台自体には、オレなりにリスペクトの気持ちを抱いてもいたのだ。
初導入が2016年3月。オレが初めて打ったのは6月頃だっけ? あれからかなりの年月が流れ、その間にオレは好きになったり、嫌いになったり、『真・北斗無双』に対する想いは、数ヶ月単位で揺れに揺れていた。そして現在……。
やっとわかりました。オレ、アナタちゅきぃいいいぃいいいいッ!!
スペックは一貫して高く評価していたが、ゲーム性だってコレはコレで面白い。心に刺さるインパクトをはらんだ激アツ演出が、絶妙な出現率と信頼度で出てきやがる。もちろん、大当りの当否が予測できてしまう場合も多いが、「コレ絶対ハズレ!」って展開から50回に1回ぐらいドパァアアンと当たるのを味わうと、人にやさしい神からの授かり物をいただいたような心地になる。とにかく打てば打つほど、演出バランスに関しては当初の印象とはむしろ逆に、奇跡のごとくよくできているように感じ始めたのである。ホント、もっと打っときゃよかったわ。でも、今気付けてよかったのかもしれない…。ホールからなくなるその日まで、あとしばらくよろしくお願いします。(←大当りを欲しすぎて台に媚びた)
【やっぱええその3】
吉宗
(C)DAITO GIKEN,INC.
伝説級の名機、4号機『吉宗』である。前進機種の『シェイク』から、このスペックはさすがにヤバすぎる…スロジャンキーには程遠いオレじゃついていけないと思っていた。『シェイク』の天井は2500ゲーム、遊びやすくなった『吉宗』ですら1921ゲーム。しかも、低設定だと日常的にそこまでハマるときてる。いくら見返りがデカくても、そんなコインのやり取りは狂気の沙汰だと感じたのだ。
4号機時代のオレは、まだ手堅く勝つパチスロを信条としており、過激すぎる機種よりはコツコツ増やすAタイプを好んでいた。それゆえ、『シェイク』には触りすらしなかった(ま、13年後に中古実機を手に入れて、初めてちゃんと遊んだ際、その面白さと演出センスの素晴らしさにシビれたのだが)。なので当然、『吉宗』の人気がホールで沸騰しだしても、オレはかたくなに敬遠し続けていたのである。
そんなオレが『吉宗』を打つようになったきっかけは、ハイエナ効果の高さだった。どんなにハマろうが、一時的に何十万円失おうが、攻め時とヤメ時をきっちり守っていれば、いずれあるべき100%以上のペイアウト率に落ち着く。そんな『確率の裏付け』が、オレに揺るがぬ勇気を与えたのだ。『シェイク』より『吉宗』は設置台数が格段に多く、攻め時の空き台が頻繁に拾えたのもデカかった。こうして『吉宗』の解析を熟知し、前兆からのゲーム数を数えたりし始めると、その面白さと奥深さにオレは完全降伏することになる。しかも、ちゃんと打ってりゃ勝てちゃうのである! 711枚のボーナスがカンタンに1ゲーム連する狂気の出玉性能も、脳をトロけさせるには十分だった。もう完全なる、『吉宗さま〜〜全裸あおむけ好きにして♡』状態ッ!! その結果オレは、実機コレクターになった現在も、『吉宗』はホール未設置新品状態の実機を、打って遊ぶ用と完全保管用の2台所有している。そんな機種は、『吉宗』だけなのだ。
と、今回も完全に日本語を書きすぎて、この後の日常生活がままならんほどグッタリしてしまったが、これほどアツく語りたくなるほど、結局オレはこれらのヒット機種を愛してんだろうな。でもさぁ、チェロスのこの性格って、普通の人が誰ひとり知らんようなマイナー機にも詳しくあるべきで、ヒット機種もしっかり網羅しておかなければならない、パチ&スロライターって仕事には向いてんのかもとたまに思うんだよね。なんだかんだ言ってガキの頃、『スーパーマリオブラザーズ』はツレの武田くんから借りて遊んでみたら、それまでプレイしたどのゲームよりブッチギリおもろいと思ったし…!
つまるところ何より大事なのは、どんな事情があるにせよ『ええもんは、ええ』と、自分の中に湧き上がった感情を素直に認めることかもしれないね!? それは僕らみんな、人生、すべての場面において…。