経済が社会的諸関係の中に埋め込まれているのではなく、反対に社会的諸関係が経済システムの中に埋め込まれている

市場経済とは、市場価格によって統制され、調整され、指図される経済システム

市場経済以前の経済→互酬、再配分、交換

労働と土地を市場メカニズムに包摂することは、社会の実体そのものを市場の法則に従属させることを意味する

人間は、文化的諸制度という保護膜を奪われ、社会的にむき出しの存在となることに耐えられず、朽ち果ててしまう

市場システムという悪魔のひき臼

汚れた手段で手に入れた特権の付属物としての自由ではなく、政治的領域という狭い範囲を超えて緊密に組織された社会それ自体へと広がる規範的な権利としての自由
産業社会が万人に提供する余暇と安全によって生み出された新たな自由





資本主義という経済システムの下では、エントロピーが一方的に増大するだけで、エントロピーを減少させることが難しいために、次第に生産性は低下していき、やがて経済は成長の限界に突き当たる

1つにつながって秩序を持っている「全体」を全てバラバラにして「個」に分けてしまう近代のパラダイムは、共同体をバラバラにして「個」となった構成員同士を商品交換によって結びつける資本主義


「企業」という擬似「共同体」が、資本主義の崩壊と共に解体され、生産者と消費者、経営者と労働者が1つになった真正の「共同体」




フロイトが究明した死の欲動は、そしてケインズが描いた貨幣愛および資本蓄積と結びついた死の欲動は、資本主義の出現およびその発展において本質的な役割を果たした

資本主義の壮大な企みとは、消滅への諸力を、つまり死の欲動を成長へと誘導し、転移させること

エロス〔生の欲動〕がタナトス〔死の欲動〕を支配し、利用し、従属させる

先送りされたタナトスは、自己増殖を繰り返し、破壊的な暴発力を高めていく



先進国経済は、資本を後進国に投下し、後進国の物的生産によって生み出された利潤の一部を利子として受け取っている

資本があり余り、資本が「社会化」する時代が到来する