驚きました。プロ将棋棋士とコンピュータが戦う電王戦、来年行われる第三回の内容が発表されましたが、一緒に来週行われる電王戦タッグマッチもアナウンスされました。

 第二回で対戦相手として戦った5組の棋士とコンピュータが今度はチームを組んで、戦うというのです。

 これは、画期的。電王戦をきっかけに私も市販のソフト激指を手に入れました。ソフトが局面や次の一手を解析してくれるので、素人のわたしでも、プロの対局の局面をリアリタイムにある程度理解することができます。対局観戦が飛躍的に楽しくなりました。

 さて、こういったソフトと棋士が組んだらなにが起こるのか、本当に興味津々です。注目している点は次のような点です。

 ・人間らしい見落としがなくなる
 単にうっかりミスというのではなく、プロ棋士の多くが見逃しがちな俗手でも、コンピュータは発見できるという点で人間と強い相補関係にあります。先月王位戦第3局で行方八段が羽生王位に勝った対局では、94手目の△8七金が決め手になりましたが、ひどい俗手だそうで外で検討している人たちは気付かなかったそうです。でも手元のソフトはあっさり最善手です。

 ・攻めの手、守りの手のバランス
 プロ対局の棋譜を解析していて一番印象的なのは、コンピュータは守る手が得意という点です。ある局面でコンピュータでも解説でも有利とされてる側が、実際にはそのまま攻め続けたという場面で、コンピュータは一旦守る手を最善手に選んでいることが良くあります。本当にそれが最善手なのか常々気になっています。人対人だといったん攻めを渡すことでいろいろあやを付けられてしまうかもしれませんから、守る手を読んでいてもなかなか指しにくいでしょう。

 今回の電王戦タッグマッチでも、そのような場面はきっと出てくると思います。攻めを渡すことで仕掛けられる罠からはコンピュータが守ってくれますから、そのような場面で守る手を棋士が選ぶのではないかと期待してます。持ち時間が短いので難しいかもしれませんが、もしそうなったら、棋士達は今までにないような将棋を楽しめるのではないかと思います。とても期待しています。

 ・新しい定跡に挑戦する
 第一回電王戦で、米長永世棋聖が2手目△6二玉を指したように、普段まったく指されない新しい手が指されるかもしれません。対戦は抽選ですし、そもそも事前に示し合わしておくなんて無粋なことはしないでしょう。それでも、棋士二人と二台のコンピュータでいっちょ新しい将棋の定跡を作ってやろうじゃないかと、棋士二人のアイコンタクトで「前からやってみたかった」手が指されるのではないでしょうか。

 棋士同士で人狼やってる場合じゃないです。ぞくぞくします。

 ていうか、△6二玉とか、実は将棋は攻めたら負ける可能性、とことん見てみたいです。

ミライ: はい、中の人そこまで。ここから六葉未来点(?)です。8月31日わくわくしますね。

フツクロウ: ホウじゃな。なにしろ嫁と組んで戦うんじゃからな。将棋界の混合ダブルス。船江五段は電王戦後、対戦相手のツツカナと良く指しているという話題から、なぜか嫁設定になったからな。

ミライ: ですよねー。いままでは一応敵で、微妙な関係でしたけど、これで、晴れて嫁宣言できますよね!!

フツクロウ: ホウじゃ、ホウじゃ。

ミライ: 戦艦ですら萌え化の時代ですしね、習甦・ツツカナ・ponanza・puella α・GPS将棋、全部萌え化必至ですよね!!!

フツクロウ: ええのう、ええのう。冗談じゃなく、このタッグマッチは棋士とコンピュータの息の合うペアが勝つと思うぞ。

ミライ: そうなんですか?

フツクロウ: ホウよ。人間は主要な手について50手以上読む一方、コンピュータはそこまで深くは読めずに、じゃが広く読む。きっとコンピュータは「きっとこっちがいいよ〜と?」という悩ましい手を中盤でどんどん薦めてくるだろうからの。しっかし、その数手先を読むと最善手とは限らん。

 前回の電王戦でも、人間のが有利と思われる展開であってもコンピュータは「わたしは最善手を指してるのよ〜」というささやき続け、いつのまにか自分のペースに取り込んでしまう、まさにウンディーネのように振る舞っておったの。その癖をいなして、冷静に対応しておればみんな勝てたと思うんじゃが、コンピュータ恐るべし。まさに人狼界の藤田綾女流棋士がごとし(分からない人すいません)、女体化も当然じゃ。

 今回も棋士はコンピュータの甘い誘惑をクールに交わしながら進めんといかん。

ミライ: なんだか、ホントの恋愛の駆け引きみたいですね〜。そんな風に考えたら、私でも見てて楽しそう〜。

フツクロウ: ちなみに、棋士はソフトとインタラクティブに会話できるんかの?

ミライ: 会話?

フツクロウ: 激指だと、こう指したらどうなるの?と気になる手をどんどん読ませていくことができるんじゃが、対局でできるんかいの?

ミライ: どうでしょう。
プロ棋士はコンピュータの最善手を確認しながら対局を行う。
とあるので、それはできないんじゃないんですか?

フツクロウ: ホウ。そうみたいじゃの。棋士がソフト操作できるとなると、操作能力で差が出てしまうからの。

ミライ: そ〜ですね。棋士が、将棋盤見ずにひたすらマウスぐりぐりしてたらイメージ崩壊です。

フツクロウ: ホウ・・・。激指だと、最善手だけでなく、評価の高い順にいくつか候補出してくれるが、しかも、予想される進行とともに、が、それもなしということかもしれんの。

 あれじゃな、耳元でそっと「△6二玉よ」とか耳打ちしてくれるだけってことじゃな?

ミライ: それって却って、悩ましいだけじゃないですかっっ???

フツクロウ: ホゥじゃな、やはり日頃どれだけ良く嫁を理解しているかとその上での信頼関係がものをいいそうじゃの。

ミライ: わ〜〜、どのペアが勝ち残るのか、ほんとどきどきしますね。そうそうに嫁認定された船江五段が有利ということでしょうか?

フツクロウ: さっぱりわからん!

ミライ: えーー・・・。

フツクロウ: ということでじゃ。前回電王戦のときの六葉未来点では、棋士とコンピュータが戦うことで共創が起こるとか解説していたわけだが、