いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に始める記事[S]です。

 こんなTEDプレゼンを見ました。こんな紹介記事もあります。
 
 生まれつきの才能や、IQは一切関係ない。成功者に共通する「グリット」という能力とは?  

 成功者に共通するのは IQ ではなく、根気強さとも言うべき「グリット」という力だというお話です。

 お話自体は大変興味深いのですが、プレゼンの中でどうやったら「グリット」を育てられるかという質問に「正直わからない」と答えています。それでも、今の所有効と考えられるのは、「グロースマインドセット」という考えだと述べています。

 しかしですね。なんかおかしいのです。
チャレンジすること、努力することの必要性、つまりグリットの大切さを子供たちが学ぶことで、難しい問題に直面した時も恐れずに、挑戦することがわかりました。限界は超えられるということを教えるグロースマインドセットを、小さい頃から教えることは非常に大切なのです。
 こんな風にも書いてあります。

 しかし、子供は日々成長します。昨日できなかったことが今日できるようになります。「限界は超えられるということを教える」とありますけど、日々成長する子供は本来限界など知らないはずです。

 たとえばうちの小五長男と小二次男がかけっこしたら当然長男が勝ちます。彼らにとっても当然です。長男は特に走る練習をしなくてもです。背が伸びるのと同じように足は日々速くなるのです。彼らはいったいどこまで速くなるのか、彼ら自身まったくわからないでしょう。もちろん世界記録を出せるほど速くなるとは思っていないでしょうが、これ以上速くならないとは思っているわけがありません。

 「限界は超えられる」ことを本来教える必要はないはずです。そもそも限界があることを知らないのですから。

 でもなんか子供たちはいつの間にか自ら限界を設定してそこに収まってしまうのです。「ぼく泳げないし」みたいな。

 なぜそんなことが起こってしまうのか。

 やはりTEDプレゼンにヒントがありそうです。紹介記事はこちら。

 「頭がいい」と褒めるのは間違い–心理学者が教える、子どもを成長させる正しい褒め方とは  

 テストができなかったら、「落第」と評価するのでなく「まだ」という考え方を紹介しています。
私達の子どもの教育はどうか? 「まだ」より「今」のために育てていませんか? 成績のAに取り憑かれた子どもにしてしまっていませんか?
 「まだ」のパワーを身につけた子は、問題ができなくても、なんとかして解こうとするそうです。

 クラスの中でテストができるできないという「今」の評価に問題ありそうです。足の遅い子は、何年になっても他の子に比べれば遅いままかもしれません。でも毎年他の子と同じように速くなっているかもしれません。それに気づけば、毎年タイムを計るのが楽しくなるかもしれません。

 子供たちを河原に放つと彼らはなにかを始めます。たとえば次々と石を川にいれてダムを造り始めたりします。なんと目標は向こう岸まで到達することです。明らかに無理な目標なのですが、彼らはもくもくとダムを作るし、最終的に到達できそうにもないと諦めても、絶望するわけではなく、なにか達成感を得ています。「今日のところはこのくらいにしといたろ。次は横断したるからな」とでも思っているのでしょうか。

 一方最近の海燕さんの記事で気になっていることがあります。

 リアルはなぜクソゲーなのか?  

 この中で、
 リアルでは何かしらの経験を積んでいくらか成長したとして、それをたしかなものとして実感することはむずかしいわけで、必然、モチベーションが高まらないんですよね。

 そう、この「成長の実感」、それこそがリアルとゲームを分かつ決定的なポイントなのではないか。
 リアルは「成長の実感」が困難なので、モチベーションが湧きにくいのではないかと。

 以上を寄せ集めるとぼんやりとですが、今子供達に起こっていることが想像できます。

 本来子供は日々成長しているし、限界も知らない。川を横断するダムを作るなんて無茶な目標を持って失敗しても、いつかできると思っている節もあるし、やるたび効率はあがっていたりする。子供はもともと自分が成長することを知っている。

 しかし、それを強く阻害するものがあるのではないかということです。

 一つ目は