岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/04/24
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2016/11/27配信「『この世界の片隅に』で見えたTVアニメーション崩壊前夜!中抜きでアニメ業界総ブラック!業界のおカネ事情は?~アニメ・イズ・デッド第二弾 対談・山本寛(アニメ-ション監督)」の内容をご紹介します。
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2016/11/27の内容一覧
- 本日のお題
- 山本寛さんとの対談開始
- ヤマカンなら『この世界の片隅に』をどうする?
- 今の生活と地続きな『この世界の片隅に』
- ヤマカンと片淵監督のやり方の違い「先を行かれた」ところ
- とりあえず見ろっていう強度のある批評と「片渕さんを勝たせてあげたい」
- ジブリ再結成の可能性
- 宮崎長編の予算とヤマカン大予言、「アニメ作業あるある」
- 宮崎駿の部下にはできないドワンゴ川上さん
- 『君の名は。』『子の世界の片隅に』以後の『エヴァ』は「もういい」?
- アニメ業界の相場「カット単価」と5人でやってた京アニ
- 権利を持っていても潰れるスタジオと倒産を伸ばす方法
- 10月クライシスと『ナディア』前のガイナックス造反劇
- アニメーターが増えないアニメ業界をいったん終わらせよう
- 「ボケ役」評論家ヤマカンさんへのツッコミ方
- 限界を迎えたアニメ界をサポートする方法
- 『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』が業界を変えた
- 『君の名は。』が青春恋愛映画を終わらせた
- 『この世界の片隅に』が変えた「アニメの作り方」
- 『蒼きウル』とCGのためにガイナックスに導入されたインディゴ
- 手法にこだわりのない庵野秀明の挑戦
- 島田紳助のマーケティング理論、「感性のX軸」と「時代のY軸」
- 次回告知:『ガンダムTHE ORIGIN』「ハリー・ポッター現象」
宮崎長編の予算とヤマカン大予言、「アニメ作業あるある」
岡田:宮崎さんが言っている、こんだけの金をどんな方法でもいいから集めてくださいって、鈴木さんに言っていたじゃん。あれ、いくらやと思う? マジで?
山本:ただ、宮崎さんって意外と倹約家の人だから、ものすごく抑えて抑えて作ると思いますよ。で、自分のそれこそ残りの人生のことも考えて、あまり大風呂敷は広げないと思う。
岡田:90分って書いていたよね。
山本:うん。
岡田:でもあの段階で90分だから。作り出したら120分だと思うよ。
山本:伸びるかなあー。伸びるかなあ。
岡田:で、10億で済むはずないじゃん。いったら。
山本:なんぼや、って言われたらそれはもう10億から20億?
岡田:で、それ作品作るだけでしょ。もう一回アニメスタジオ作って、新人研修から始めての仕組み一式もう一回作ってだから。
山本:販管費加えてその倍の40億?
岡田:40億。でも40億でも、ジブリ作品としては『借りぐらしのアリエッティ』より、ちょっと小ぶりなくらいのスケールになるよね、使い勝手としては。だから、みんなが望んでいるいわゆる『もののけ姫』クラスというか『千と千尋の神隠し』クラスの作画で、大作としてやっちゃったら……。
山本:ああ、そう「日テレが頑張れば」って(コメント)書いてある(笑)。
岡田:「日テレが頑張れば」(笑)。
山本:それはみんなで、どれだけ神輿を持ち上げるかですね。たぶん周囲が、あと日テレさんとかがワッショイワッショイってやり始めたら、もっと膨らむと思う。でも「あー、さすがにどうなのかな」ってみんなが懐疑的だったら、たぶん、そういうこじんまりとした、それくらいの中規模のレベルで落とし込もうと、たぶん宮崎さんはしているんだと思います。
岡田:何回か前に話したんだけど、やっぱりアニメーションで、興行で映画館でかかったときに制作者に入るお金ってほぼ4分の1くらいでしょ? ということは、100億かけたら400億ヒットさせなきゃいけない。400億って言ったら、やっぱ『千と千尋の神隠し』超えの世界だから(笑)。作るからにはたぶん、100億とは言わないけど、50~60億くらいかかっちゃうと思うから、そうなるともう『君の名は。』を超えないと。
山本:『君の名は。』超えなきゃいけないねー。
岡田:キツいよね、あの年でそんなハードル設定されたら(笑)。
山本:うーん、そのへんはやっぱり現実的な判断をするんじゃないですかねえ。
岡田:そっかあ、やるかあ。やる……、まあ直感だけども、やるんじゃないかなあ。
山本:やるのは……やると思いますよ。
岡田:で、集め……でもまだ業界のウワサとして「誘われた」という人はいないよね。
山本:はい。
岡田:うん。そうか、だから宮崎さんが言っている2019年に公開は、まあ無理だとしても、「今年から来年にかけてコンテ描く」って言ってもさ、コンテ描くときって宮崎さんの描き方ってある程度当て描きだから、「このシーンこいつにやらせよう」って思って描くわけじゃん、あの人。つうことは、何人かはもう押さえてなきゃいけないんだけども。
山本:だから、作り方も変えていくと思うんですよ。本来の作り方ではなくて、たとえばコンテも分担するかもしれない。
岡田:ええっ! ええええ(笑)! 大予言だぜ、ヤマカン、大予言(笑)。
山本:でも結局自分で描き直すのね。結局直すの。丸直し。
岡田:そうそう。結局ね。誰かに描かせて「お前はジブリから出て行け」なんだよ最後は(笑)。自分で描くっていうね。
山本:でもね、僕も経験もちろんあるんですけど、人のコンテ直すと、人のコンテ見ると客観的になれるんですね。
岡田:ああ、ああー。
山本:「ここを直せばいいや」っていうのが、結構スムーズに行ったりするんですよ。だから宮崎さんってやっぱり0から1を作る人だから、「ウーン」って唸る、その時間が結構もったいないと思うんですよ。だったらいったん人に描かせて、上がってきたものを「違うんだー!」ってワーッって直したほうが早いんじゃないですかね?
岡田:そう、そう。「全部違う、使えない」って言いながら、わりと前のヤツをなぞって描いたりするからね(笑)。
山本:そうそう。
岡田:面白いよなあ。
山本:これ、「あるある」じゃないですか。「アニメ作業あるある」。
岡田:「アニメ作業あるある」だよねえ。庵野がよくやっていた。東宝から来たシナリオが「1行も使えません!」って言いながら結構使ってんだよ(笑)。
山本:(笑)
岡田:「樋口のシンちゃんのコンテが使えません!」「結構使ってんじゃん、お前」っていう(笑)。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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