岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/06/26

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2016/09/25配信「脱!貧困!貧乏だから不幸は間違い?貧困問題は解釈の違いを理解することで解決できる!」の内容をご紹介します。
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2016/09/25の内容一覧

貧困と貧乏は違う、キャリコの街で見た貧困と『火垂るの墓』

 貧乏と貧困は違うんですよ。貧困というのはさっき話した『火垂るの墓』みたいな世界のこと。『火垂るの墓』のお話は、母親が入院してしまって清太と節子ですか、という二人の兄弟は親戚の家で暮らすと。でも親戚の家で仲が良くなくて、清太が飛び出して、二人で飛び出して、防空壕で暮らすと。
 防空壕で暮らすんですけど、お兄さんの清太っていうのは、今で言うコミュ障なんですね。大人の人とうまくコミュニケーションをとれないというか、たぶんお父さんが海軍の偉い人だったのでプライドが高すぎて、他の人と話をするのがあんまりできなかったんですね。なので、ご飯を食べさせてもらうとかそういうことができず、親戚の人に冷たくあたられて、ついつい外へ飛び出してしまったんですね。
 なので、自分の妹の身体の具合が悪くなった時にお医者さんに見せることはできるんだけども、お医者さんに栄養のあるものを食べさせなさいと言われた時に、栄養のあるものを食べさせろといわれてどこにそんなものがあるんだ、どうやればいいんだって心のなかで思うんですけども、お医者さんに相談できないんですね。そのまま帰ってきてしまう。
 結果的に節子は死んでしまうんですね。節子が死んだ理由は貧しくて死んだんじゃないんですね。それは映画のなかでも語られているんですけども、清太はお母さんからいざという時のために預かった銀行口座があって、そのなかに7000円入っているんですよ。
 7000円ってどれくらいの値段かというと、当時、戦後すぐに500円生活っていわれたことがあって、500円あれば、1か月暮していけるって言われたんで、現在の貨幣価値の100分の1くらいだと思ってください。つまり、7000円というのは70万円くらいの値打ち──たぶん、もうちょっとあったと思うんですけど──ぐらいの値打ちがあったので、清太は節子にご飯を食べさせることはできたし、医者に見せることが出来たくらいですから、餓死させることはなかったんですよね。
 でも、それはあとから見ている、金を払ったらものを買えることが当たり前の僕らの話であって、当時はお金はあっても、ものなんか売ってないんですね。モノを買おうと思ったら、それは物々交換であったり、もしくはどこでモノを売っているのか、知っている人だったら、行って買えるんですけども、コミュ障の清太にはそういう能力がないんですね。銀行に口座があるんですけど、これはどうやったらいいんですかって、人に頭を下げて、聞くこともできない。プライドがあってできないですし、妹がいたら、妹のためにご飯を盗んできてやろうという行動はできるんですけども、その時に、見つかった時にすみませんって殴られることはできるんですけども、妹が餓死しそうなんです、助けてください、貯金はありますみたいなことで人に頼ることもできない。
 結局、その貧困というのは、僕は『火垂るの墓』だと思うんですよ、金があるとかないの問題ではなくて、そのお金を使うことが怖くて、自分をどんどん追い込んでしまう。情弱って言ったら、今の言葉で言ったら清太はコミュ障かもしれないんだけど、どうふるまえばいいのかわからない結果、妹が死んでしまうという状況なんですね。

(中略)

 「貧困と貧乏は違う」っていうのが今日の主題なんですけど、清太がいたのは明らかに貧困なんですよ。つまり、貧しくて困っている状態です。でもその困っているのが、貧しいが故ではなくて、貧しさだとか自分が弱者だとかなんにも知らない子供だっていう結果、動きがとれなくなって、本来だったら、だって7千円の貯金があったんですから、絶対に2人とも戦後の世界を生き延びれたはずなんですけども、それが見えなくなってしまっている、視野が狭くなっている状態というのが貧困の恐ろしさだと思います。

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