岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/06/25
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/06/18配信「歴代アニメベスト10&ゲスト:佐藤ダイン『僕に彼女が出来るまで』」の内容をご紹介します。
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2017/06/18の内容一覧
- 本日のお品書き
- 『夜明け告げるルーのうた』
- 今、日本アニメベスト10を選ぶ理由
- アニメを芸術として語ることの問題
- 10位『宇宙戦艦ヤマト』
- 9位『ガンバの冒険』
- 8位『母をたずねて三千里』
- 7位『機動戦士ガンダム』
- 佐藤ダインと語る『僕に彼女ができるまで』
- 漫画と現実
- 有限一般ゼロ和ゲーム
- 6位『DAICON Ⅳ オープニングアニメ』
- 5位『ビューティフル・ドリーマー』
- 4位『天空の城ラピュタ』
- 3位『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』
- 2位『魔法少女まどか☆マギカ』
- 2位『花の詩女 ゴティックメード』
- 1位『ピンポン』
- 1位『おそ松さん』
- ランク外『正解するカド』
- ランク外『この世界の片隅に』
今、日本アニメベスト10を選ぶ理由
こういうベスト10ランキングというのは、駆け出しの評論家と僕みたいなオッサン評論家では視点が違うんですよ。
「今からアニメ評論で食っていこう」とか、「これからアニメ評論の本をバンバン出すぜ」とか、「今、俺の人気上がってきた」と思っているようなアニメ評論家や、ちょっとアニメを語りたい文化人、アイドル、芸人さんというのは、やっぱり「今のもの」を入れたがるんですね。今の最新の作品を見て、「どうだ! こんな作品も見てるんだ! 俺って流行に遅れてないよね? 俺ってオタクの仲間だよね?」という形で「今」を過剰に入れたがる。
それに対して、氷川竜介さんとかは違うんです。……いや、もちろん、氷川さんも最新の作品は見てるんだけども。
最新のものを見過ぎたあまり、この間、「いい加減にしろ!」と家族に怒られたそうだけども(笑)。最近のアニメを3本立て続けに見てたら、そのどれもが同じ時期に始まった作品だったもんだから、3本とも同時に第10話に入って、一斉に「過去の因縁話」をやったそうなんですね。で、「そんな回想シーンだけの回を3つも見せられて、嫁さんと娘に怒られた」ということを、この間、氷川さんが書いてたんですけども(笑)。
まあ、だいたい若手の評論家とか、ちょっとブイブイとイキってる感じの人は、今の作品を挙げたがる。それに対して、俺みたいなオッサン評論家は、どうしても昔の作品を挙げたがる。もう、みんなも予想してた通りの『ガンバの冒険』などを挙げたがる。
なぜこういう作品を挙げたがるのかというと、「説教したくなる」という感覚に近いんだけど、どうしてもひとこと言いたくなってしまうから。なんかね、「自分の好みだけではいけない! 自分が受け継いだバトンを後ろの人に渡さなきゃいけない!」って感じになっちゃうんだよね。
これは「過去の美化とか懐古主義」とは違うんだ。これはね、本当に年齢が上がっていかないとわからないことなんだろうけど。
たぶん、体育会系の人はわかると思うんだよ。つまり、「1年生の時にはあんなに反発していた正座みたいなしきたりなのに、2年生の後半になる頃には後輩にやらせるようになるのか」に近いんだ。「ああ、これしかないんだ」とか、「自分たちが受け継いだ流れというのを絶やしちゃいけないんだ」という義務感みたいなものが出てくる。
そして、おそろしいもので、たかだかアニメの評論程度をやっている俺らにしてみても、それは同じなんだ。
俺らだって、当たり前だけど、基本的に昔のアニメより今のアニメの方が面白いに決まってるわけだよ。何十年も前のアニメと今のアニメを見比べたら、今のアニメの方が、スピード感があって面白いし、逆に昔のアニメをDVDで見たら、思っていたよりトロくて、タルくて、シンドいんだよね。ギアをどこかで変えないと見れないんだけど。
それでも「これは紹介しなくちゃな」みたいな、義務感のようなものがあるんだ。
だからこそ、こういうアニメのベスト10みたいなものをいろんな人に選ばせると、そういう温度差みたいなものが見えて面白いんだけどね。
というわけで、まずは、こういうアニメ評論家の世代的な差があるので、そういう「布教活動」込で考えなきゃいけないところがちょっと難しい。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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