岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/07/09
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/07/02配信「今ならここで見られる、おすすめ映画作品」の内容をご紹介します。
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2017/07/02の内容一覧
- 海洋堂センムのお誕生会
- Amazonプライムビデオのおすすめ映画
- アメリカの宇宙計画を映画で体験しよう
- 炭鉱町の高校生がロケット打ち上げに挑む『遠い空の向こうに』
- 初期の宇宙計画を描いた『ライトスタッフ』
- トム・ハンクスを宇宙オタクにした『アポロ13』
- サメが出てきて大暴れ『ディープ・ブルー』
- 最高にくだらない『裸の銃を持つ男』
- 日本人とは別の視点で見た第二次大戦の終わり『太陽の帝国』
- 最後までドキドキさせられ続ける『時計仕掛けのオレンジ』
- 原作者スティーブン・キングを激怒させた、傑作ホラー『シャイニング』
- そこそこの感じで終わってしまった『正解するカド』
- 真剣に未来を予測しようとした、キューブリックとクラーク
- 『2001年宇宙の旅』とはどんな映画だったのか?
- 映像作家キューブリックと小説家クラークの違い
- 『2001年宇宙の旅』は宇宙時代の「オデッセイア」
- 『2001年宇宙の旅』のラストで描かれたキリストの復活
- 『プライベートライアン』を冒頭20秒で超えた『ハクソー・リッジ』
- 世界中の戦車マニアを熱狂させた『フューリー』
- Netflixのオススメ映画
Amazonプライムビデオのおすすめ映画
ここからはAmazonプライムビデオの中に、7月14日で配信終了になってしまう作品があるんですね。その話からしたいと思います。
まず、困ったことに『ライトスタッフ』が7月14日で配信終了になってしまいます。
これね、3時間12分もあるんですよ。192分もあって、なかなか見きれないんですね。すごい長いから。でも、配信終了になるから、Amazonプライムに加入している人は、今のうちに見た方がいいです。
来月くらいに「映画で体験するアポロ計画」というか、アメリカの宇宙計画についての解説というのをシリーズでやろうと思っていますので、できれば今のうちに見て予習しておいてください。
「映画館で見た」という人も多いと思うんですけど、映画館でやっていたのは、この30分短い、2時間半くらいのバージョンなので、今プライムの会員の人は、できれば無料で見られるうちにライトスタッフくらいは見ておきましょうか。
いわゆる「マーキュリー7」と呼ばれる宇宙飛行士の話です。
先週も話した「Man-In-Space-Soonest(今すぐ人類を宇宙へ)計画」の時にアメリカが集めた7人です。
最初、アメリカは、例えば軽業師とかバイク乗りとか、いろんな職業から人材を集めようとしたんですけども。偉い人が「そういうやつらは身分の確認をとるのが大変だからダメだ」って言ったんですね。
とにかく何が困るかって、宇宙飛行士がソ連に亡命されてはかなわない。当時は、そんなことが本当にいっぱいあったわけですね。「すごい頼りにしていた人間がソ連に亡命する」とか、逆に「ソ連からアメリカに亡命してきた」ということがいっぱいあった時代でした。なにより、宇宙に送ってしまうということは、地球に帰ってくる時に操縦をちょっといじってソ連領に逃げ込まれたらどうしようもない。ということで、「まず身分確認が簡単にできるやつを2、3週間以内に集めろ」と言われたんですね。そんなこと言われたら「軍のパイロット」から選ぶしかない。
本当にそれだけの理由なんですよ。別にアメリカは、「マーキュリー計画で最高の7人を集めた」わけでもなければ、「宇宙飛行士はパイロットでなければならない」とか、そんなことではまったくないんですよ。
なぜって、マーキュリー計画では宇宙船を操縦する要素は1ミリもないんですから。それどころか、1番最初は操縦装置すらついてなくて、こいつらがデモを起こしたくらいですから(笑)。
(中略)
その他にも、Amazonでの見放題が7月14日に終わっちゃう中に、『ディープ・ブルー』という映画があります。
僕がけっこう好きな「サメ映画」なんですね。「サメが出てきて大暴れする映画」なんですけども。
アルツハイマーの治療のために脳髄液を採取する目的でバイオ技術によって作られた、巨大で、おまけに賢いサメが、反乱を起こすんですね。そして、なんせ「賢いサメ」ですから、人間がいる海の基地みたいなところでの人対サメの戦いが始まってしまう。
「基地みたいな場所でサメと戦う」という描写を映画的にどうやって撮るのかと思ったら、その基地の中が半分くらい水浸しになって、サメがガンガン入ってくるんですね。そういった「基地内に侵入したサメと、いろんな戦いを繰り広げる」って映画で、やっぱり僕、すごい大好きなんですけども。
その当時、ギャラさえ払えばどんな映画にも出てくれた、サミュエル・ジャクソンという俳優がいるんですけども。
このサミュエル・ジャクソンの感動的な大演説と、その後のビックリするようなオチがあって、本当にもう、好きな映画なんですよね。
モーガン・フリーマンとか、サミュエル・ジャクソンみたいな黒人の名優は、なんでも出てくれるよね、金払えば(笑)。
このディープ・ブルーも7月14日で配信終了してしまいますので、まだ見ていない人は本当に気軽に見れる映画なので、よろしくお願いします。
どれくらい気軽かというとですね、仕事しながら見て差支えないくらいです。パソコン画面でもいいですし、別にスマホでも構わない程度の映画なんですけど、見れば面白いので、見ておいてください。
(中略)
あと、これもくだらない映画なんですけども。7月14日に配信が終わってしまう映画に、『裸の銃を持つ男』というのがあります。
もう本当に、くだらない映画好きにはオススメの作品で、「『ゴッドタン』や『アメトーーク』よりくだらない」って言えばわかるかな?
あのね、基本的には刑事モノなんですよ。もともとは、センスのかけらもない『フライング・コップ 知能指数0分署』というタイトルのアメリカドラマだったんですね。4話しか作られていないドラマだったんですけども、メチャクチャ人気が高かったんですよ。
原題は『Police Squad!』っていうんだけども、あらゆる刑事モノのパロディーだけで出来てる、いわゆる「『最終絶叫計画』の刑事版」みたいなものなんです。
(中略)
その他には、スタンリー・キューブリックの作品、『時計じかけのオレンジ』、『シャイニング』、『ロリータ』、『2001年宇宙の旅』と、4本も7月14日に配信終了になってしまいます。
『時計じかけのオレンジ』、みなさん見ました? スタンリー・キューブリックが描く21世紀のロンドンの話なんですけど、とにかく目が離せないです。
キューブリックという人は「同じジャンルの映画を二度は撮らない」と言ってる人なんですけども。そんな彼が、『2001年宇宙の旅』というSF映画を撮った後に、「地上を舞台にした未来もの」ということで撮った作品です。
僕は、かなりこれが好きなんですよね。
(中略)
映画の舞台は21世紀のロンドン。主人公のアレックスというヤツは不良なんですね。ホームレスを襲ったり、女の人をレイプしたりする、とんでもなく悪いヤツなんですけれども、「ベートーベンの音楽だけは好き」っていう設定なんです。
こいつが捕まって、矯正施設に入れられて、首相キモ入りの「イギリスを不良から守る」という精神医学の実験台にされるんですね。「「ルドヴィコ療法」というプログラムに志願したら無罪放免にされる」と言われたアレックスはこれに志願します。
だけど、そのルドヴィコ療法というのは、「両目のまぶたをクリップで固定させられて、残酷な映画をずーっと見せられる」というやつなんですね。
(中略)
この治療法を受けたアレックスは、釈放された後、暴力的な行動を起こそうとすると吐き気がするようになってしまう。
昔の仲間たちに絡まれて殴られても、仕返しができない。昔のアレックスは、さっき一緒に映ってた仲間たちを、もう本当に、ガンガン殴ったり蹴ったりしてたんですけど、そういうことがまったくできない身体になってしまったんですね。かつて自分が面白半分に蹴っていた無力なホームレスをにも見つかったりして、そうやって、一人一人から復讐されるという話なんですよ。
で、「復讐される」という、それだけの話かと思ったら、最後の最後にルドヴィコ療法の効果が切れて、アレックスのさらなる復讐が始まるという、そんなラストなんですけども。
そういう映画でありながら、スタンリー・キューブリック映画の左右対称の美しい画面構成をやっているから、とんでもないものを見たような感じになるんですね。
(中略)
あとは、同じくスタンリー・キューブリックの作品、『シャイニング』も、残念なことに、7月14日にAmazonで配信が終わってしまいます。
シャイニングというのは、僕の大好きなスティーブン・キングの原作をスタンリー・キューブリックが映画化した作品ですね。
まあ、これは有名な話なんですけども、スティーブン・キングは、最初、キューブリックによる映画化をすごい喜んだんですよ。……だけども、キャスティングの段階から、ちょっとトラブルがあって。
まず、キューブリックは、主演俳優に、ものすごい癖のある演技をするジャック・ニコルソンを選んじゃった。これは、後にスティーブン・キング自身が書いていることなんですけども、「主人公の父親は、最後には狂ってしまう役なんだけども、この役がジャック・ニコルソンだったら「最初っから狂ってる」じゃねえか!」と(笑)。つまり、観客は、ジャック・ニコルソンを見ただけで、「ああ、こいつ、頭がおかしくなるな」とわかってしまう。なので、こんなヤツを主役にしちゃダメだと。
次に、その嫁さん役のウェンディという役なんですけども、物語の中での彼女は、原作を読んでみるとすごいしっかりしてる人なんですね。だけど、映画用に選ばれた俳優さんは、なんでしょうね、すごい神経質そうな顔をしてて。
この人も、見るからに「夫が狂ったら叫びそうな感じ」なんです。まあ、彼女がいい感じに映画の中でキャーキャー叫んでくれるおかげで、シャイニングの最も有名なシーンである「ジャック・ニコルソンがドアをガンガン斧でぶち割って、顔をニヤーッと出して、奥さんがキャー!」というシーンが取れたんですけども。
スティーブン・キングにしてみたら、「こんな顔の役者を使っちゃったら、映画を見てる人間は最初からわかっちゃうじゃん!」と。「ホラーというのをどう考えているんだ!」というようなことで、大喧嘩になって。いまだに仲が悪いというか、エッセイとかコラムとか、映画関係のインタビューを受けるたびに、スティーブン・キングは、ものすごい悪口を言ってます。
どれくらい悪口言っているのかっていうと。
後にシャイニングがテレビドラマになったんですよ。もう、スティーブン・キングが、「シャイニングというと、みんなキューブリックのバージョンを思い出してしまう! あれは嫌だ! テレビドラマにしよう!」と言って作ったんですけど。
その時に、映画制作会社がキング側に出した条件が、「これ以上、映画版のシャイニングの悪口を言わない」というもので、キングは涙ながらにそれにサインして、「そのかわり、俺のシャイニングをちゃんと作ってくれる」って、作らせたんですよ。
それで、テレビ版のシャイニングが出来上がったんですけども、不幸なことに「スティーブン・キングが思った通りに作ったドラマは面白くない」という、いつもの法則が発動して、相変わらず、シャイニングといえば映画の方が有名だっていう(笑)。
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