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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』が描く、アメリカ人にとっての男らしさ」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』が描く、アメリカ人にとっての男らしさ」

2017-08-18 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/08/18

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2017/07/23配信「夏休みオタク講義・今期お勧めアニメ紹介と、『カーズ3』、『ブレイキングバッド』の面白がり方」の内容をご紹介します。
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    2017/07/23の内容一覧

    『ブレイキング・バッド』が描く、アメリカ人にとっての男らしさ

     『ブレイキング・バッド』っていう海外ドラマを一気見したんだよ。
     この間、ドイツに行ったんだけども、行くときにiPadの中にダウンロードして大量に保存して持って行ったんだけども。今、NetflixでもAmazonプライムでも、ドラマってだいたいダウンロードできるんだよ。
     ブレイキング・バッドって、海外での評価はものすごく高いんだけど、日本人は案外見てないって言われてるんだよね。アメリカではもう、今コメントにも出てた通り社会現象化していて。
     かなり面白いドラマだとしても70点台後半とか80点くらいしか取れない辛口な海外ドラマの評価サイトでも、5シーズンある内の第1シーズンで83点を叩き出したくらいなんだ。第2シーズンでは86点というふうに、どんどん上がって行って、第5シーズンではついに99点という前人未到の記録を出して、ギネスにも載ったという、すごい作品なんだよ。

     今、質問があったんだけども、どんな話かというと、冴えない普通のアメリカの高校の化学の先生が癌を告知されて「残りの寿命が2か月くらいしかない」と言われるんだ。家族がいるのにお金も全然なくて、さらに脳性マヒの障害がある二人目の子供も生まれる。そこで、困った彼は「メス」(メタンフェタミン)と呼ばれる純度の高い麻薬を作るんだ。
     ところが、高校の化学の先生なんだけど、大学にいた20代の頃は研究者としても超一流だったものだから、めちゃくちゃ純度の高いメスが作れてしまうんだよね。アルバカーキっていうアメリカのニューメキシコ州が舞台なんだけども、そこで流通しているメスの純度は最高でも60%くらいだったんだけども、そいつが作ったメスの純度は99%を超えるくらいだったんだ。
     そのおかげで、すごいお金が入ってくるんだけども。でも、家族に秘密が出来てしまう。すごい家族と仲がいいんだけども、家族に秘密ができてしまう。

     彼は「自分は麻薬を作るんだけど、悪人でない」というふうに思ってるんだ。だから、「人を殺したくないし、傷つけたくない」と思っている。ところが、そのせいでどんどん行動に変な矛盾が出てきてしまって、だんだんと悲劇に巻き込まれていくっていう話なんだ。

     第1シーズンから第5シーズンまであって、本当に第4シーズンから第5シーズンというのは神展開の嵐でさ。僕、飛行機の中で、ずーっとそればっかり見てたし、ドイツ国内でも電車で移動している4時間くらい、iPadを持ってイヤホンつけて、ずーっとブレイキング・バッドを見ていたんだけども、めっちゃくちゃ面白いんだよな。

     何が面白いのかというと……ちょっとね、ほんのちょっとだけネタバレするんだけども。
     主人公のウォルター・ホワイトは、いつも「家族のためだ」「家族のためだ」と繰り返すんだ。麻薬のことを家族には秘密にしていて、「なんで話してくれないの?」とか「あなた一体何をしたの?」とか「なんでこんなお金があるの?」とか、もう、話数によっていろんな秘密がバレそうになるんだけど。
     彼にはスカイラーっていうすごい怖い嫁さんがいるんだよ。この嫁さんが、あまりに怖いもんだから、アメリカでは「スカイラーを殺せ!サイト」とか、スカイラー役をやった役者さんに対してツイッターで暗殺通知が来たくらい嫌われてたんだけども。
     そんな、怖い嫁さんなんだけども、その人もドラマを見ていたらわかるんだけども、旦那さんを愛するがあまり、家族を心配するがあまり、すごい口調がキツくなってくるんだよね。
     ……だったとしても、いくら「嫁さんがキツい国」でお馴染みのアメリカ人といえども耐えられないということで、もうガンガンクレームが来るようになっちゃったんだけど(笑)。

     ウォルターは、ずーっと「これは家族のためなんだ! わかってくれ!」って言いながら、秘密にし続ける。でも、彼のやったことのおかげで、親戚を含めて家族が段々崩壊していって、2度と戻らなくなっていくというのを延々と描くんだよ。
     ところが、最終回では、妻と最後の会話をするシーンで「でも、私のやったことはすべて……」というふうに、いつもの感じで言いかけるんだけど。妻の方が、そこでせき止めて「わかってる。あなたの言うことはいつも一緒よ! どうせ「家族のため」と言うんでしょ!」って、これまでもう本当に100回くらい繰り返されたことをやるんだけども。そこで、主人公ウォルターは「……そうじゃない。「自分のため」だ。」って答えるんだよね。
     「なんでこんな犯罪で稼いだかと言うと、正直、楽しかったし、自分にはこれが向いていると思った」って言うんだ。
     でも、これは本当のことじゃないんだよね。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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